38AM65|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
高気圧酸素治療の適応疾患はどれか。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、高気圧酸素治療の適応疾患が問われています。
高気圧酸素治療は、高い気圧環境で高濃度酸素を吸入させ、血液中の溶解型酸素を増やす治療です。
代表的な適応として、次のような病態を押さえます。
- 一酸化炭素中毒
- 減圧症
- 空気塞栓
- ガス壊疽
- 急性末梢循環障害
- 網膜動脈閉塞症
この問題では、選択肢の中で適応となるのは網膜動脈閉塞症です。
解説
高気圧酸素治療では、通常より高い気圧の環境で酸素を吸入します。
これにより、ヘモグロビンに結合する酸素だけでなく、血漿中に溶け込む酸素、つまり溶解型酸素が増加します。
溶解型酸素が増えると、血流が低下した組織にも酸素を届けやすくなります。
そのため、虚血や低酸素が関係する病態で治療効果が期待されます。
網膜動脈閉塞症では、網膜への血流が急に障害され、網膜が虚血になります。
網膜は酸素需要が高く、虚血に弱い組織です。高気圧酸素治療により、網膜への酸素供給を補う目的で用いられることがあります。
一方、中耳炎や急性副鼻腔炎は、圧変化による耳痛や副鼻腔痛、気圧外傷のリスクに関係します。
高気圧酸素治療の適応疾患としてではなく、治療時の注意が必要な状態として考えます。
ひっかけポイント
高気圧酸素治療は「酸素をたくさん投与する治療」ではなく、高い気圧で溶解型酸素を増やす治療です。
適応は、低酸素や虚血、ガス塞栓、一酸化炭素中毒などと結びつけて覚えます。
臨床工学技士としての注意点
高気圧酸素治療では、装置管理、加圧・減圧時の観察、酸素火災リスク、耳や副鼻腔の気圧外傷、患者監視が重要です。酸素濃度が高い環境では、火気や静電気にも注意します。
選択肢の確認
1.誤り。
開放性骨折そのものは、この選択肢群の中で高気圧酸素治療の代表的適応として選ぶものではありません。外傷に伴う重症感染や循環障害などが問題になる場合とは分けて考えます。
2.誤り。
急性心筋梗塞は、冠動脈閉塞による心筋虚血が中心であり、通常は再灌流療法や薬物治療が中心です。この問題で問われる高気圧酸素治療の適応としては選びません。
3.誤り。
中耳炎は、高気圧酸素治療時に耳抜き困難や中耳圧外傷の原因になり得ます。適応疾患ではなく、治療時に注意が必要な状態です。
4.正しい。
網膜動脈閉塞症は、網膜の急性虚血を起こす疾患です。高気圧酸素治療により溶解型酸素を増やし、網膜への酸素供給を補う目的で適応となります。
5.誤り。
急性副鼻腔炎は、加圧・減圧時に副鼻腔の圧調整が障害され、痛みや圧外傷の原因になり得ます。高気圧酸素治療の適応疾患としては選びません。
覚えるポイント
- 高気圧酸素治療は、高気圧下で高濃度酸素を吸入する治療です。
- 目的は、血漿中の溶解型酸素を増やすことです。
- 代表的適応には、一酸化炭素中毒、減圧症、空気塞栓、ガス壊疽、急性末梢循環障害などがあります。
- 網膜動脈閉塞症は、高気圧酸素治療の適応として押さえます。
- 中耳炎や急性副鼻腔炎は、気圧外傷のリスクとして注意します。