38AM43|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
JIS T 0601-1で規定されている図の漏れ電流測定用器具(MD)について正しいのはどれか。 a.R2 は 10 kΩ である。 b.R1 と R2 には無誘導抵抗器を用いる。 c.R1 と C1 で遮断周波数 1 kHz の低域通過フィルタを構成している。 d.電圧測定器の指示値が 100 mV のとき、漏れ電流値は 100 μA である。 e.電圧測定器の入力インピーダンスは 100 kΩ である。

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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、JIS T 0601-1で規定される漏れ電流測定用器具、MDの回路定数と読み取り方が問われています。
MDは、漏れ電流を人体への影響に近い形で評価するための測定回路です。特に、R1、R2、C1の値と、電圧測定器の指示値から漏れ電流へ換算する考え方を押さえます。
図で見るポイント
図では、R2 が左側の入力端子間に接続され、R1 が上側に直列に入り、C1 と電圧測定器が右側の出力端子間に接続されています。R1 と C1 は、出力を C1 側から取り出す低域通過フィルタとして働きます。
解説
JIS T 0601-1で用いられるMDでは、代表的に次の値を押さえます。
- R1 = 10 kΩ
- R2 = 1 kΩ
- C1 = 0.015 μF
- R1 と R2 は無誘導抵抗器
- 電圧測定器は測定回路をできるだけ乱さない高入力インピーダンスのものを用いる
ここで、問題文の小項目を確認します。
a.R2 は 10 kΩ である。
誤りです。10 kΩはR1であり、R2は1 kΩです。
b.R1 と R2 には無誘導抵抗器を用いる。
正しいです。漏れ電流測定では周波数特性が重要なので、不要なインダクタンス成分を避けるために無誘導抵抗器を用います。
c.R1 と C1 で遮断周波数 1 kHz の低域通過フィルタを構成している。
正しいです。R1 と C1 による遮断周波数は、次のように求められます。
- C1 = 0.015 μF = 15 × 10^-9 F
- fC = 1 / (2π × R1 × C1)
- fC = 1 / (2π × 10,000 × 15 × 10^-9)
- fC ≒ 1,060 Hz
したがって、ほぼ1 kHzの低域通過フィルタです。
d.電圧測定器の指示値が 100 mV のとき、漏れ電流値は 100 μA である。
正しいです。MDでは、測定電圧を1 kΩで割った値として漏れ電流を読み取ります。
計算の流れは次のとおりです。
- I = V / 1 kΩ
- I = 0.100 V / 1,000 Ω
- I = 0.0001 A
- I = 100 μA
つまり、100 mV は 100 μAに対応します。
e.電圧測定器の入力インピーダンスは 100 kΩ である。
誤りです。電圧測定器の入力インピーダンスが低いと、MD回路を負荷して測定値に誤差を生じます。そのため、100 kΩではなく、一般に1 MΩ以上の高入力インピーダンスの電圧測定器を用います。
ひっかけポイント
この問題では、10 kΩはR2ではなくR1です。また、電圧測定器の100 mVという指示値は、電圧測定器の入力インピーダンスが100 kΩという意味ではありません。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b、c の組合せです。bとcは正しいですが、aが誤りです。R2は10 kΩではなく1 kΩです。
2.誤り。
選択肢2は a、b、e の組合せです。bは正しいですが、aとeが誤りです。R2は1 kΩであり、電圧測定器の入力インピーダンスは100 kΩではありません。
3.誤り。
選択肢3は a、d、e の組合せです。dは正しいですが、aとeが誤りです。
4.正しい。
選択肢4は b、c、d の組合せです。R1とR2に無誘導抵抗器を用いること、R1とC1で約1 kHzの低域通過フィルタを構成すること、100 mVが100 μAに対応することはいずれも正しいです。
5.誤り。
選択肢5は c、d、e の組合せです。cとdは正しいですが、eが誤りです。
覚えるポイント
- MDのR1は10 kΩ、R2は1 kΩ、C1は0.015 μFです。
- R1とC1で、遮断周波数が約1 kHzの低域通過フィルタを構成します。
- MDでは、100 mVの指示値は100 μAの漏れ電流に対応します。
- 電圧測定器は、測定回路を乱さないように高入力インピーダンスのものを用います。
- 漏れ電流の問題では、回路定数、測定器の接続位置、電圧から電流への換算をセットで確認します。