38AM27|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
生体計測装置学生体電気信号・雑音心電図/脳波・電極・SN比・テレメータ
生体信号の処理について正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、生体信号処理の基本手法が問われています。
心電図、脳波、筋電図、血圧波形などの信号処理では、雑音除去、ピーク検出、平均化、AD変換を区別して理解します。
解説
信号波形のピーク位置を検出する方法の一つに、微分演算があります。
波形の傾きは、微分によって調べることができます。ピークでは、波形の傾きが正から負へ変化します。そのため、微分値や符号変化を利用してピーク位置を検出できます。
生体信号処理では、目的に応じて手法を使い分けます。
- 基線ドリフト:低周波成分の揺れなので、高域通過フィルタや基線補正が有用
- 商用電源雑音:ハムフィルタ、ノッチフィルタが有用
- 高周波雑音:低域通過フィルタや移動平均が有用
- 繰り返し信号の雑音低減:加算平均が有用
- AD変換:標本化と量子化で行う
ひっかけポイント
「ハムフィルタ」は高周波雑音全般ではなく、主に商用電源由来のハム雑音を抑えるためのフィルタです。
選択肢の確認
1.誤り。
基線ドリフトは、心電図などで基線がゆっくり上下する低周波性の変動です。加算平均ではなく、高域通過フィルタや基線補正を用います。
2.正しい。
信号波形のピーク位置は、微分演算によって傾きの変化を調べることで検出できます。ピーク付近では微分値が0付近となり、符号が変化します。
3.誤り。
ハムフィルタは、主に商用電源由来の50 Hzまたは60 Hz付近の雑音を除去するために用いられます。高周波雑音の除去には低域通過フィルタなどを考えます。
4.誤り。
不規則雑音に埋もれた繰り返し信号の検出には、加算平均が有効です。移動平均は波形を平滑化しますが、繰り返し信号を同期して取り出す方法としては加算平均が代表的です。
5.誤り。
アナログ信号をディジタル信号に変換するには、標本化、量子化、符号化を行います。フーリエ変換は周波数成分を解析する方法です。
覚えるポイント
- ピーク検出には微分演算が使える。
- 基線ドリフトは低周波性の揺れ。
- ハムフィルタは商用電源雑音の除去に用いる。
- 繰り返し信号の雑音低減には加算平均が有効。
- AD変換は標本化、量子化、符号化で行う。