9PM91|第9回 公認心理師国家試験 過去問
自閉スペクトラム症のスクリーニングツールである M-CHAT が測定している対象として、最も適切なものを 1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、自閉スペクトラム症の早期スクリーニングで用いられるM-CHATが、どのような発達上の特徴に注目しているかが問われています。
M-CHAT では、特に乳幼児期の共同注意や社会的コミュニケーションの特徴が重要になります。
解説
M-CHATは、自閉スペクトラム症の早期発見を目的としたスクリーニングツールです。乳幼児期の行動について、保護者が質問項目に回答する形式で用いられます。
自閉スペクトラム症では、社会的コミュニケーションや相互作用の特徴が早期からみられることがあります。その代表的な発達指標の1つが共同注意です。
共同注意とは、子どもと他者が同じ対象に注意を向け、その対象について注意や関心を共有することです。例えば、子どもが指さしで物を示す、親が指さした方向を見る、面白いものを見つけて保護者に見せようとするなどが含まれます。
発達心理学でのポイント
共同注意は、言語発達や対人コミュニケーションの基盤になります。自閉スペクトラム症の早期理解では重要な観点です。
M-CHAT は診断を確定する検査ではありません。スクリーニングでリスクが示された場合は、発達歴、行動観察、保護者面接、専門的評価を組み合わせて総合的に判断します。
選択肢の確認
1.共同注意
判定:最も適切。
共同注意は、他者と同じ対象に注意を向け、関心を共有する能力です。M-CHAT は、自閉スペクトラム症の早期兆候として共同注意や社会的コミュニケーションに関わる行動を測定するため、本問の正答です。
2.実行機能
判定:誤り。
実行機能は、計画、抑制、切り替え、ワーキングメモリなどに関わる認知機能です。自閉スペクトラム症の理解に関係することはありますが、M-CHAT が主に測定する対象としては共同注意が適切です。
3.協調運動機能
判定:誤り。
協調運動機能は、身体の動きを調整して目的に合った運動を行う能力です。発達性協調運動症などで重要ですが、M-CHAT の中心的な測定対象ではありません。
4.感覚過敏・鈍麻
判定:誤り。
感覚過敏や感覚鈍麻は、自閉スペクトラム症でみられることがあります。ただし、M-CHAT の中心的な対象として本問で求められているのは、共同注意です。
5.中枢性統合機能
判定:誤り。
中枢性統合機能は、複数の情報を全体として統合して理解する働きに関係します。自閉スペクトラム症の認知特性を説明する理論として関係しますが、M-CHAT の主な測定対象ではありません。
覚えるポイント
- M-CHATは、自閉スペクトラム症の早期スクリーニングツールです。
- 重要な対象は、共同注意や社会的コミュニケーションの特徴です。
- 共同注意は、他者と同じ対象に注意や関心を共有することです。
- スクリーニング結果だけで診断を確定せず、発達評価を総合して判断します。