9PM146第9回 公認心理師国家試験 過去問

発達心理学-08 加齢・フレイル・サルコペニア

78 歳の男性A、 1 年前に妻を亡くし自宅で一人暮らし。半年ぶりに訪問した長男Bから、地域包括支援センターに対し、買い物支援に関する相談があった。BによるとAは、信号を渡り切れないことが不安で、買い物に行くのが不自由になったと嘆いている。姿勢も良く、腰痛やふらつきもないが、歩くスピードが近頃遅くなっている。握力も弱くなり、ペットボトルのキャップを開けるのに苦労している。一方で、自宅では、オンラインの囲碁大会に積極的に参加したり、趣味の盆栽を楽しんだりしている。食欲もあり、体重も変わっていないが、Bに「足が少し細くなった」と話すという。  Aの状態の理解として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

この事例では、高齢者の筋肉量低下筋力低下に注目し、サルコペニアを理解することが重要です。

Aは78歳で一人暮らしです。歩くスピードが遅くなり、握力も弱くなり、ペットボトルのキャップを開けるのに苦労しています。また、「足が少し細くなった」と話しています。一方で、食欲や体重は保たれ、オンライン囲碁や盆栽を楽しんでいるため、意欲低下が中心とはいえません。

解説

サルコペニアは、加齢などに伴う骨格筋量の低下と、筋力や身体機能の低下を特徴とする状態です。歩行速度の低下、握力低下、筋肉量の減少が重要な手がかりになります。

この事例のAは、信号を渡り切れないことへの不安から買い物に困難を感じています。姿勢は良く、腰痛やふらつきはありませんが、歩くスピードが遅くなっています。握力も弱く、ペットボトルのキャップを開けるのに苦労しています。さらに、足が細くなったという本人の認識もあります。これらは筋力低下と筋肉量低下を示しており、サルコペニアとして理解するのが最も適切です。

フレイルは、身体的・心理的・社会的な脆弱性が広がった状態を指します。本事例では、食欲や体重は保たれ、趣味やオンライン活動への意欲もあります。身体面の中でも特に筋肉量と筋力の低下が中心であるため、サルコペニアがより適切です。

地域支援で見るポイント
高齢者支援では、移動能力、筋力、栄養状態、社会参加、認知機能、生活環境を分けて評価します。買い物困難の背景が身体機能なのか、意欲低下なのか、環境要因なのかを整理します。

選択肢の確認

1.アパシー
判定:適切とはいえない。
アパシーは、意欲や自発性の低下を指します。Aはオンラインの囲碁大会に積極的に参加し、盆栽も楽しんでいます。活動意欲は保たれているため、アパシーが最も適切とはいえません。

2.フレイル
判定:適切とはいえない。
フレイルは、加齢に伴う心身の脆弱性が高まった状態で、体重減少、疲労感、活動量低下、歩行速度低下、筋力低下などを含みます。Aには歩行速度低下や握力低下がありますが、食欲や体重は保たれ、趣味活動も継続しています。本問では、筋肉量と筋力の低下に焦点を当てるサルコペニアが最も適切です。

3.廃用症候群
判定:適切とはいえない。
廃用症候群は、長期の安静や活動低下によって筋力低下、関節拘縮、心肺機能低下などが生じる状態です。Aは趣味活動を継続しており、長期臥床や著しい活動停止は示されていません。筋肉量と筋力の低下を中心に理解するサルコペニアがより適切です。

4.サルコペニア
判定:最も適切。
サルコペニアは、筋肉量の減少と筋力・身体機能の低下を特徴とします。Aには、歩行速度の低下、握力低下、足が細くなったという訴えがあり、サルコペニアの理解が最も適切です。

5.パーキンソン病
判定:適切とはいえない。
パーキンソン病では、安静時振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害などがみられます。本事例では、姿勢は良く、ふらつきもなく、パーキンソン病を示す特徴的症状は示されていません。

覚えるポイント

  • サルコペニアは、筋肉量の低下と筋力・身体機能の低下が中心です。
  • 歩行速度低下、握力低下、筋肉量低下は重要な手がかりです。
  • フレイルは、身体面だけでなく心理・社会面も含む脆弱性の概念です。
  • アパシーは意欲低下が中心です。
  • 高齢者支援では、買い物困難の背景に、筋力、歩行、認知、意欲、社会環境のどれが関係しているかを整理します。

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