9AM60|第9回 公認心理師国家試験 過去問
30 歳の男性A、出版会社に勤務。Aは、幼少期から本が好きで、作家になることを夢見ていた。大学卒業後もアルバイトをしながら執筆活動を続けていたが、 3 年前に作家の夢を断念し、出版会社に就職した。当初は慣れない業務に戸惑い、上司の指摘に落ち込むことも多かったが、少しずつ慣れ、編集作業を一人で任されるようになってきた。最近では、自ら特集記事の企画提案を行うなど主体的に仕事に取り組む姿勢がみられるようになり、自分の役割を果たしていると実感している。 D. E. Super のキャリア発達理論に基づく A の段階として、最も適切なものを 1 つ選べ。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、D. E. Super のキャリア発達理論における発達段階が問われています。
A は 30 歳で、出版会社に就職後、仕事に慣れ、編集作業を任され、自ら企画提案を行い、自分の役割を果たしている実感を得ています。この状態は確立期に該当します。
解説
D. E. Super は、キャリアを生涯発達の過程として捉えました。職業選択は一度きりの出来事ではなく、成長、探索、確立、維持、解放という流れの中で変化していきます。
主な段階は、一般に次のように整理されます。
- 成長期:自己概念や職業への関心が育つ時期
- 探索期:進路や職業を試し、選択していく時期
- 確立期:職業生活に入り、仕事上の地位や役割を安定させていく時期
- 維持期:確立した職業上の地位や能力を維持・発展させる時期
- 解放期:仕事からの引退や役割の縮小に向かう時期
本事例の A は、幼少期から作家を夢見ていましたが、3年前に作家の夢を断念し、出版会社に就職しました。当初は慣れない業務に戸惑っていましたが、少しずつ適応し、編集作業を一人で任されるようになっています。
さらに、自ら特集記事を企画提案するなど、主体的に職務に取り組み、自分の役割を果たしている実感を得ています。これは、職業生活の中で自分の役割を確立し、安定させていく過程であるため、確立期が最も適切です。
事例問題で見るポイント
年齢だけでなく、仕事への適応、役割の安定、主体性、職業的自己概念の形成を確認します。
産業・労働領域での注意点
キャリア支援では、本人の過去の夢や価値観、現在の職務適応、将来像をつなげて理解します。
選択肢の確認
1.維持期
判定:誤り。
維持期は、すでに確立した職業上の地位や役割を維持し、発展させる段階です。A は 30 歳で、出版会社に就職して3年が経過し、仕事に慣れながら役割を確立している途中であるため、維持期よりも確立期が適切です。
2.解放期
判定:誤り。
解放期は、職業生活からの引退や役割の縮小に向かう段階です。A は現在、仕事に主体的に取り組み、役割を果たしている実感を得ているため、解放期には該当しません。
3.確立期
判定:最も適切。
確立期は、職業生活の中で仕事に適応し、自分の役割や地位を安定させていく段階です。A は編集作業を任され、企画提案を行い、自分の役割を果たしていると実感しているため、この段階が最も適切です。
4.成長期
判定:誤り。
成長期は、子ども時代に自己概念や職業への興味が形成される段階です。A が幼少期から本を好きで作家を夢見ていた部分は成長期に関係しますが、現在の A の段階としては確立期が適切です。
5.探索期
判定:誤り。
探索期は、進路や職業を試し、選択していく段階です。A はすでに出版会社に就職し、職務に適応し、役割を確立しつつあるため、探索期よりも確立期が適切です。
覚えるポイント
- Super のキャリア発達理論は、成長期、探索期、確立期、維持期、解放期で整理します。
- 確立期は、職業生活に入り、役割や地位を安定させていく時期です。
- 年齢だけでなく、仕事への適応や役割の確立を見ます。
- キャリア支援では、本人の価値観、職務経験、自己概念をつなげて理解します。