9AM22|第9回 公認心理師国家試験 過去問
家族療法において、セラピストが個々の家族成員の味方になり、その思いを認め、公平に接することを表す用語として、最も適切なものを 1 つ選べ。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、家族療法における多方向への肩入れの意味が問われています。
セラピストが特定の家族成員だけの味方になるのではなく、個々の家族成員それぞれの立場や思いを認め、公平に関わることがポイントです。
解説
多方向への肩入れとは、家族療法において、セラピストが家族成員の一人だけに肩入れするのではなく、複数の家族成員それぞれに対して理解と支持を示す関わりです。
家族療法では、家族の中で「誰が悪いか」を決めることが目的ではありません。家族成員それぞれの立場、苦痛、願い、責任、関係性を理解し、家族全体の相互作用を見立てることが大切です。
例えば、子どもの問題行動をめぐって家族が来談した場合でも、子どものつらさだけでなく、保護者の不安や困難、きょうだいの思いも扱います。誰か一人を悪者にすると、家族内の対立が強まり、治療関係も不安定になりやすくなります。
公認心理師としての注意点
家族支援では、中立性と公平性が重要です。ただし、虐待や暴力など安全に関わる問題がある場合は、被害を受けている人の安全確保を優先します。
多方向への肩入れは、家族それぞれの語りを尊重しながら、家族全体の関係性に働きかけるための基本的態度として理解できます。
選択肢の確認
1.取り入れ
判定:誤り。
取り入れは、精神分析的な文脈で、外部の対象や性質を自分の内側に取り込むことを指す概念として用いられます。家族療法で、家族成員それぞれの味方になり公平に接することを表す用語ではありません。
2.平行交流
判定:誤り。
平行交流は、交流分析において、相手の自我状態に対して予測可能な形で反応が返る交流を指します。家族療法における公平な肩入れを表す用語ではありません。
3.ジョイニング
判定:誤り。
ジョイニングは、セラピストが家族システムに入り、家族と協力関係を築くことを指します。家族療法で重要な技法ですが、本問の「個々の家族成員の味方になり、その思いを認め、公平に接する」という説明には、多方向への肩入れがより適切です。
4.エナクトメント
判定:誤り。
エナクトメントは、家族内の相互作用を面接場面で実際に演じてもらい、その関係パターンを観察したり変化させたりする技法です。家族成員それぞれの立場に公平に肩入れする態度を表す用語ではありません。
5.多方向への肩入れ
判定:最も適切。
多方向への肩入れは、セラピストが特定の一人だけではなく、家族成員それぞれの思いや立場を認め、公平に関わることを表します。本問の説明に合致します。
覚えるポイント
- 多方向への肩入れは、家族成員それぞれの立場を公平に理解し支持する態度です。
- ジョイニングは、家族システムに入り治療関係を築くことです。
- エナクトメントは、家族の相互作用を面接場面で再現して扱う技法です。
- 家族療法では、個人だけでなく家族全体の関係性を見立てます。