9AM21第9回 公認心理師国家試験 過去問

発達心理学-05 青年期・アイデンティティ

E. H. Erikson のライフサイクル論に基づく実践において、自我同一性の確立を課題とする青年とのカウンセリングを行う際に注目すべき事柄として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、E. H. Erikson のライフサイクル論における青年期の発達課題が問われています。

青年期の中心的な心理社会的危機は、自我同一性 対 同一性拡散です。自分は何者か、将来どのように生きるのか、社会の中でどのような役割を担うのかを模索する時期です。

解説

E. H. Erikson は、人の発達を生涯にわたる心理社会的発達として捉えました。それぞれの発達段階には中心的な課題があります。

青年期では、自我同一性の確立が重要です。自我同一性とは、自分が一貫した存在であるという感覚や、社会の中で自分らしく生きる方向性をもつことです。

青年は、進路、職業、価値観、友人関係、恋愛、社会参加、文化的所属などを通して、自分に合う役割を試します。このような試行錯誤は役割実験と呼ばれます。

国家試験ではここを押さえる
Erikson の青年期では、「自我同一性」「同一性拡散」「役割実験」「モラトリアム」が重要語です。

カウンセリングでは、青年が迷っていることを単に未熟さとして扱うのではなく、自我同一性を形成するための探索過程として理解します。本人が安全に試行錯誤し、自分の価値観や進路を言語化できるように支援することが大切です。

選択肢の確認

1.自発的な空想や遊び
判定:誤り。
自発的な空想や遊びは、幼児期の主体性や想像力の発達に関係します。Erikson の発達段階では、幼児期の「自発性 対 罪悪感」と関連して理解できます。青年期の自我同一性の確立において最も注目すべき事柄ではありません。

2.学業における有能感の獲得
判定:誤り。
学業や作業を通して有能感を獲得することは、児童期の「勤勉性 対 劣等感」に関係します。青年期にも学業は重要ですが、自我同一性の確立という観点では、社会的役割を試す役割実験の方がより中心的です。

3.社会的な活動における役割実験
判定:最も適切。
青年期には、進路、職業、対人関係、価値観、社会参加などを通して、自分に合う役割を試す役割実験が重要になります。自我同一性の確立を支援するカウンセリングでは、この探索過程に注目することが適切です。

4.基本的養育者との愛着関係の形成
判定:誤り。
基本的養育者との愛着関係の形成は、乳幼児期の発達に深く関係します。Erikson の初期段階では「基本的信頼 対 不信」と関連して考えられます。青年期の自我同一性の確立における中心課題ではありません。

5.パートナーとの親密な関係づくり
判定:誤り。
パートナーとの親密な関係づくりは、Erikson の成人期初期における「親密性 対 孤立」に関係します。青年期にも恋愛関係は同一性形成に影響しますが、本問で問われている自我同一性の確立に最も直接関係するのは、社会的な役割実験です。

覚えるポイント

  • Erikson の青年期の課題は、自我同一性 対 同一性拡散です。
  • 青年期では、進路、職業、価値観、社会的役割を探索します。
  • 役割実験は、自分に合う生き方や役割を試す過程です。
  • 幼児期は自発性、児童期は勤勉性、成人期初期は親密性と整理します。

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