9AM19第9回 公認心理師国家試験 過去問

心理療法・心理支援-04 来談者中心・フォーカシング

人に備わる基本的動因として、自らの生来の可能性を建設的な方向に成就しようとする実現傾向を重視する心理療法として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、C. Rogers のクライエント中心療法における実現傾向が問われています。

「自らの生来の可能性を建設的な方向に成就しようとする」という表現が重要な手がかりです。

解説

クライエント中心療法は、C. Rogers によって発展した心理療法です。人には、自分自身の可能性をよりよく発揮し、成長しようとする基本的な力が備わっていると考えます。これを実現傾向といいます。

クライエント中心療法では、治療者が一方的に指示したり解釈したりするのではなく、クライエント自身の成長する力を信頼します。そのため、治療者の基本的態度として、次の3条件が重視されます。

  • 無条件の肯定的関心
  • 共感的理解
  • 自己一致

これらの態度によって、クライエントが自分の体験に気づき、自分らしい方向へ変化していくことを支えます。

ひっかけポイント
「実現傾向」「無条件の肯定的関心」「共感的理解」「自己一致」が出たら、クライエント中心療法を想起します。

公認心理師としては、クライエントの主体性を尊重しながら、必要に応じて安全確認、説明と同意、他職種連携も行います。受容的に関わることは、リスクを見逃すことではありません。

選択肢の確認

1.内観療法
判定:誤り。
内観療法は、身近な他者との関係について、「してもらったこと」「して返したこと」「迷惑をかけたこと」を内省する日本発祥の心理療法です。実現傾向を中心概念とする心理療法ではありません。

2.森田療法
判定:誤り。
森田療法は、神経症的な不安や症状をあるがままに受け入れ、目的本位の行動を重視する心理療法です。不安の除去そのものを目標にするのではなく、生活の中で行動を整えていく点が特徴です。実現傾向を中心概念とするものではありません。

3.臨床動作法
判定:誤り。
臨床動作法は、身体の動作や姿勢への援助を通して、心理的・身体的な自己コントロールや体験の変化を支援する方法です。実現傾向を重視するクライエント中心療法とは異なります。

4.ロゴセラピー
判定:誤り。
ロゴセラピーは、V. Frankl による心理療法で、生きる意味や意味への意志を重視します。人間の可能性や成長を扱う点では関連がありますが、本問の実現傾向を中心概念とする心理療法としてはクライエント中心療法が適切です。

5.クライエント中心療法
判定:最も適切。
クライエント中心療法は、人には自己を維持し成長させようとする実現傾向があると考えます。自らの生来の可能性を建設的な方向に成就しようとする力を重視するため、本問の説明に合致します。

覚えるポイント

  • 実現傾向は、C. Rogers のクライエント中心療法の重要概念です。
  • クライエント中心療法では、無条件の肯定的関心、共感的理解、自己一致が重視されます。
  • 内観療法は、対人関係を振り返る日本発祥の心理療法です。
  • 森田療法は、あるがままと目的本位を重視します。
  • ロゴセラピーは、生きる意味を重視します。

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