8AM76第8回 公認心理師国家試験 過去問

心理アセスメント-01 知能検査:WISC・WAIS・WPPSI

21 歳の男性A、理工系大学の3年生。欠席が増えてきたAを心配した父親Bに連れられて、学生相談室の公認心理師Cのもとを訪れた。Bによると、Aは幼少期から生活習慣のこだわりが強かった。恐竜の図鑑を好んで読み、暗記した内容を他児に一方的に話すこともあった。高校では、集団になじめず孤立傾向にあった。両親の勧めで、現在の大学に進学した。Aによると、今年から研究室に所属したが、他学生との雑談やゼミ発表が苦痛で、意欲が低下しているという。AとBは、CにAの心理的サポートを希望するとともに、今後について家族で相談するため、Aの状態を知りたいと希望している。 ```  Aに実施する心理検査として、適切なものを2つ選べ。

2つ選択
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正解: 1・5


## 正答

1、5

## この問題のポイント

この問題では、成人大学生の自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害〈ASD〉特性が疑われる事例に対して、適切な心理検査を選ぶことが問われています。

2つ選ぶ問題なので、ASD特性の把握と知的・認知的特徴の把握を分けて考えます。

## 解説

Aは21歳の理工系大学生です。幼少期から生活習慣のこだわりが強く、恐竜図鑑を好み、暗記した内容を他児に一方的に話すことがありました。高校では集団になじめず孤立傾向があり、大学では研究室での雑談やゼミ発表が苦痛となり、意欲が低下しています。

これらは、限定的興味、こだわり、社会的コミュニケーションの困難、対人場面での負担といったASD特性を示唆します。

**AQ-J**は、自閉スペクトラム症の特性を把握する自己記入式尺度です。成人のASD特性をスクリーニング的に把握するために有用です。

**WAIS-Ⅳ**は、成人の知的能力や認知プロフィールを把握する検査です。言語理解、知覚推理、ワーキングメモリ、処理速度などの特徴を把握し、学業や対人場面での困難、支援方針を考える手がかりになります。

なお、検査だけで状態を決めるのではなく、発達歴、現在の生活状況、家族からの情報、面接、必要に応じた医療連携を含めて総合的にアセスメントします。

> アセスメントの視点
> 成人ASDが疑われる場合は、現在の困りごとだけでなく、幼少期からの発達歴を確認します。ASD特性の尺度と認知機能の検査を組み合わせることがあります。

## 選択肢の確認

1.AQ-J
判定:正しい。
AQ-Jは、自閉スペクトラム症の特性を把握する尺度です。Aには幼少期からのこだわり、限定的興味、一方的な会話、集団になじめないことがあり、実施する検査として適切です。

2.CBCL
判定:誤り。
CBCLは、子どもの情緒や行動の問題を保護者評価で把握するチェックリストです。Aは21歳の大学生であり、成人の評価としてはAQ-JやWAIS-Ⅳが適切です。

3.COGNISTAT
判定:誤り。
COGNISTATは、認知機能を広く評価する神経心理学的検査です。高次脳機能障害や認知機能低下の評価で用いられますが、本事例のASD特性と知的・認知プロフィール把握にはAQ-JとWAIS-Ⅳが適切です。

4.Conners 3
判定:誤り。
Conners 3は、主に子どものAD/HDなどの評価に用いられます。Aの中心的特徴はASD特性であり、成人大学生への検査としてはAQ-JとWAIS-Ⅳが適切です。

5.WAIS-Ⅳ
判定:正しい。
WAIS-Ⅳは、成人の知的能力や認知プロフィールを把握する検査です。Aの認知的特徴を理解し、大学生活や今後の支援方針を考えるために有用です。

## 覚えるポイント

* **AQ-J**は、ASD特性の把握に用いられます。
* **WAIS-Ⅳ**は、成人の知的能力と認知プロフィールを評価します。
* 成人のASDアセスメントでは、幼少期からの発達歴と現在の生活上の困難を合わせて確認します。

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