8AM61第8回 公認心理師国家試験 過去問

心理アセスメント-06 発達特性評価:Conners・CAARS・AQ・CARS

20 歳の男性A、大学3年生。Aは、レポート課題の締め切りが守れず、進級できるか心配であると訴え、学生相談室を訪れ、公認心理師Bが面接を行った。Aは、計画的に課題に取り組むことが苦手で、気が散りやすいこともあり、複数の科目でレポート提出が間に合わず、単位取得が遅れている。Aによると、小学生以来、忘れ物が多かったものの、成績は良かったため気にすることはなかった。また、興味のあることに熱中すると時間を忘れてしまい、遅刻して困ることもあるという。これを機に自分の特徴を詳しく知りたいと希望している。 ```  Aのアセスメントのために、Bが実施するテストバッテリーに含める心理検査として、最も適切なものを1つ選べ。

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正解: 2


## 正答

2

## この問題のポイント

この問題では、成人期の**注意欠如多動症/注意欠如多動性障害〈AD/HD〉**の特徴を踏まえて、アセスメントに適した心理検査を選ぶことが問われています。

事例のキーワードは、「計画的に課題に取り組むことが苦手」「気が散りやすい」「締め切りを守れない」「小学生以来、忘れ物が多い」「興味のあることに熱中すると時間を忘れる」です。

## 解説

Aは大学3年生で、レポート課題の締め切りが守れず、単位取得が遅れていることを相談しています。計画的に課題へ取り組むことの苦手さ、気の散りやすさ、忘れ物の多さ、時間管理の困難、興味のあることへの過集中が示されています。

これらは、成人期のAD/HDでみられることがある特徴です。成績が良かったため小学生の頃には大きな問題として扱われなかったものの、大学で複数課題を自己管理する必要が高まったことで困難が目立つようになったと考えられます。

**CAARS**は、成人のAD/HD症状を評価する尺度です。成人期の不注意、多動性、衝動性、実行機能の困難などを把握する際に用いられます。

テストバッテリーでは、CAARSだけで診断を決めるのではなく、発達歴、生活歴、学業上の困難、面接、必要に応じた知能検査や抑うつ・不安の評価なども組み合わせて総合的に理解します。

> アセスメントの視点
> 成人期AD/HDでは、子どもの頃からの特徴が、大学生活や職場の自己管理場面で目立つことがあります。締め切り、忘れ物、時間管理、過集中、先延ばしを確認します。

## 選択肢の確認

1.AQ-J
判定:適切とはいえない。
AQ-Jは、自閉スペクトラム症の特性を把握するための自己記入式質問紙です。AにはAD/HDを疑う不注意や時間管理の困難が中心に示されているため、最も適切なのはCAARSです。

2.CAARS
判定:最も適切。
CAARSは、成人のAD/HD症状を評価する尺度です。Aの計画性の困難、気の散りやすさ、忘れ物、時間管理の困難、過集中といった特徴のアセスメントに適しています。

3.CES-D
判定:適切とはいえない。
CES-Dは、抑うつ症状を評価する尺度です。Aは進級への心配を訴えていますが、主な困難は課題管理や注意の問題であり、成人AD/HDの評価尺度であるCAARSがより適切です。

4.K6
判定:適切とはいえない。
K6は、心理的 distress を簡便に評価するスクリーニング尺度です。全般的な精神的健康の把握には役立ちますが、AD/HD症状の詳細な評価にはCAARSが適しています。

5.STAI
判定:適切とはいえない。
STAIは、状態不安と特性不安を評価する尺度です。Aには不安が伴っている可能性はありますが、中心となる特徴は不注意や実行機能の困難であり、CAARSが最も適切です。

## 覚えるポイント

* **CAARS**は、成人のAD/HD症状の評価に用いられます。
* 成人期AD/HDでは、締め切り、時間管理、先延ばし、忘れ物、過集中が問題になりやすいです。
* AQ-JはASD、CES-Dは抑うつ、STAIは不安、K6は心理的 distress の評価として整理します。

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