8AM68|第8回 公認心理師国家試験 過去問
教育領域-05 いじめ・重大事態・学校危機
27 歳の女性A、公立学校教員。Aが担任をしている中学2年生の生徒の間で、いじめが疑われる事態が発生したため、管理職に相談した。Aによると、担任をしているクラスの女子Bは、半年ほど前、同じクラスの女子Cから現金を渡すように強要された。このとき、Bはお年玉の残りを持っていたため、言われた通りに1万円をCに渡した。このことについて誰にも話したことはない。しかし、Bは最近、Cから再び現金を要求された。今回は5万円と高額であったため、Bが断ったところ、CはBの悪口をSNS に書き込むようになった。このことで、BがAに相談に来たという。 ``` この状況において学校が外部機関との連携とともに行うべき初期対応として、最も適切なものを1つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 4
## 正答
4
## この問題のポイント
この問題では、金銭要求やSNSでの悪口を伴ういじめが疑われる事案に対して、学校が行うべき**初期対応**が問われています。
事例のキーワードは、「現金を渡すよう強要」「再び高額の現金要求」「SNSへの悪口」「担任への相談」「管理職に相談」です。
## 解説
学校でいじめが疑われる事案が発生した場合、担任一人で判断・対応するのではなく、学校に設置された**いじめ防止等の対策のための組織**で情報を共有し、調査対応を検討することが重要です。
本事例では、BがCから現金を要求され、実際に1万円を渡した経緯があり、その後も5万円を要求され、断るとSNSに悪口を書き込まれています。これはいじめに加え、恐喝や脅迫など犯罪行為に該当する可能性もあるため、外部機関との連携も必要です。
初期対応では、まずBの安全確保、事実関係の確認、証拠の保全、関係者への聞き取り方法、保護者への連絡のタイミング、警察や教育委員会等との連携を、校内のいじめ対策組織で検討します。
Cに即座に返金させる、保護者同士をすぐ話し合わせる、クラス全体に心理教育をするなどは、事実確認や安全確保の前に行うと、被害生徒の不安を高めたり、証拠隠滅や二次被害につながったりする可能性があります。
> 教育領域のポイント
> いじめ対応では、担任だけで抱え込まず、校内組織で事実確認と支援方針を検討します。金銭要求やSNS被害では、警察等との連携も視野に入れます。
## 選択肢の確認
1.いじめの第三者委員会を立ち上げる。
判定:適切とはいえない。
第三者委員会は、重大事態の調査などで設置が検討されることがあります。しかし、初期対応としてまず行うべきことは、校内のいじめ対策組織で調査対応を検討することです。
2.Cに対して指導を行い、Bに返金させる。
判定:適切とはいえない。
事実確認が十分でない段階でCに直接指導し返金させる対応は、証拠隠滅、口裏合わせ、Bへの報復などのリスクがあります。まず校内組織で調査対応を検討する必要があります。
3.BとCの保護者に連絡し、話し合いの場を持つ。
判定:適切とはいえない。
保護者への連絡は重要ですが、被害生徒と加害が疑われる生徒の保護者を早期に話し合わせることは、被害生徒の安全や心理的負担に配慮を欠く可能性があります。まず学校組織で対応方針を検討します。
4.校内のいじめ対策組織において、調査対応を検討する。
判定:最も適切。
いじめが疑われる事案では、校内のいじめ対策組織で情報を共有し、調査方法、支援方針、外部機関連携、安全確保を検討します。初期対応として最も適切です。
5.Aのクラスで、いじめ防止を目指した心理教育を実施する。
判定:適切とはいえない。
心理教育は予防的支援として有効ですが、本事例ではすでに具体的な被害が疑われています。初期対応としては、事実確認と安全確保、組織的対応が優先されます。
## 覚えるポイント
* いじめが疑われる場合は、**校内のいじめ対策組織**で対応を検討します。
* 金銭要求やSNS被害では、警察など外部機関との連携も検討します。
* 初期対応では、被害生徒の安全確保、事実確認、二次被害防止を優先します。