7PM145第7回 公認心理師国家試験 過去問

心理学基礎-11 動機づけ:自己決定・フロー・達成動機

[7PM145] 17 歳の女子A、高校 2 年生。高校 1 年生の頃、Aは、勉強に励んでいて、成績も良かった。その甲斐もあって、高校 2 年生になると、ある教科の能力別クラス編成では、一番成績の良いクラスに入った。しかし、そのクラスでは、テストの問題が難しくなり、Aが一生懸命勉強しても、良い成績が取れなくなってしまった。Aは、良い成績を取るために、テスト勉強の時間を増やすなど、できる限りの努力をしたが、成績は低いままであった。Aは、一般のクラスに移りたいと希望したが、親の反対により移れなかった。その後も、Aの成績は上がらず、勉強に励む様子もみられなくなった。 Aの現在の状態を説明する概念として、最も適切なものを 1 つ選べ。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、努力しても結果が変わらない経験が続いた後に、努力する意欲が低下する学習性無力感が問われています。

事例のキーワードは、「一生懸命勉強しても成績が取れない」「できる限り努力したが低いまま」「一般クラスに移りたいが親に反対された」「勉強に励む様子がみられなくなった」です。

解説

学習性無力感とは、自分がどれだけ努力しても結果を変えられないという経験を重ねることで、将来も自分の行動では状況を変えられないと学習し、意欲や行動が低下する状態です。

Aは高校1年生の頃は勉強に励み、成績も良好でした。しかし、高校2年生で一番成績の良いクラスに入った後、テストの問題が難しくなり、一生懸命勉強しても良い成績が取れなくなりました。

Aはテスト勉強の時間を増やすなど、できる限り努力しましたが、成績は低いままでした。さらに、一般のクラスに移りたいという希望も親に反対され、環境を変えることもできませんでした。

その結果、Aは「努力しても変わらない」と感じ、勉強に励む様子がみられなくなっています。この状態は、学習性無力感で説明するのが最も適切です。

教育領域のポイント
学習性無力感では、本人の怠けと見なさず、努力と結果が結びつかない経験、選択肢のなさ、コントロール感の低下を理解します。

選択肢の確認

1.原因帰属
判定:適切とはいえない。
原因帰属は、成功や失敗の原因を能力、努力、課題の難しさ、運などにどう説明するかという概念です。Aの状態理解に関係はありますが、努力しても結果が変わらず意欲が低下した現在の状態を表す概念としては、学習性無力感が最も適切です。

2.学習性無力感
判定:最も適切。
Aは、できる限り努力しても成績が上がらず、クラス変更もできない状況を経験しています。その後、勉強に励む様子がみられなくなっており、自分の行動では結果を変えられないと学習した状態として理解できます。

3.自己調整学習
判定:適切とはいえない。
自己調整学習は、学習者が目標設定、方略選択、モニタリング、振り返りを行いながら主体的に学ぶことです。Aは現在、学習への意欲が低下しており、自己調整学習が進んでいる状態とはいえません。

4.内発的動機づけ
判定:適切とはいえない。
内発的動機づけは、活動そのものの楽しさや興味に基づいて行動することです。Aは勉強に励む様子がみられなくなっており、内発的動機づけで説明する状態ではありません。

5.防衛的悲観主義
判定:適切とはいえない。
防衛的悲観主義は、あえて低い期待を持ち、不安を利用して準備や努力を高める方略です。Aは現在、勉強への努力が低下しており、防衛的悲観主義とは異なります。

覚えるポイント

  • 学習性無力感は、努力しても結果が変わらない経験から、意欲や行動が低下する状態です。
  • 教育場面では、努力不足と決めつけず、本人のコントロール感や成功体験を確認します。
  • 防衛的悲観主義は、不安を準備に変える方略であり、無力感とは異なります。

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