38Q60|第38回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、固定式歩行器が適した利用者として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.両手の握力が保たれていて、数秒程度の立位保持ができる人
この問題のポイント
固定式歩行器は、歩行器全体を両手で持ち上げて前へ置き、グリップで身体を支えてから足を進める用具です。
そのため、両手で握る力、歩行器を操作する上肢の力、歩行器を置き直す間に立位を保つ力が必要です。
解説
固定式歩行器は、四脚のフレームが固定された歩行器です。基本的には、「歩行器を持ち上げて一歩分前へ置く」「両手で体重を支える」「患側、健側の順に足を進める」という動作で使用します。支持面が広く、杖より安定しやすい一方、毎回歩行器を持ち上げる必要があります。
安全に使うためには、両手でグリップを握れること、両上肢で歩行器を操作し身体を支えられること、数秒間の立位保持ができること、足を順に前へ出せることが必要です。したがって、選択肢4が最も適切です。
歩行器の選定では、診断名だけで決めません。握力、上肢筋力、手関節痛、立位バランス、下肢の荷重制限、歩行パターン、認知機能、使用する場所の幅や段差を確認します。理学療法士、作業療法士、福祉用具専門相談員などと連携し、本人が実際に試して安全性を評価します。
介護実践でのポイント
歩行器を身体から遠くへ出しすぎると、前方へ転倒しやすくなります。高さを調整し、歩行器の四脚が床に安定して接地してから足を進めます。
選択肢の確認
1.対麻痺{ついまひ}で、下肢を交互に出すことができない人
適切ではありません。
固定式歩行器の基本的な歩行では、歩行器で身体を支えながら左右の下肢を順に前へ出します。下肢を交互に出せない人には、標準的な固定式歩行器歩行は難しく、車いすなどを含めて別の移動方法を検討します。
2.片麻痺{かたまひ}があって、麻痺側{まひそく}の指関節の拘縮がある人
適切ではありません。
固定式歩行器は両手でグリップを握って操作します。麻痺側の指関節拘縮によって十分に握れない場合は、安全に身体を支えられません。片手で使える歩行補助具などを個別に検討します。
3.両上肢の筋力が弱く、手関節に痛みがある人
適切ではありません。
歩行器を持ち上げ、両手で体重を支えるため、上肢筋力が弱い人や手関節痛のある人には負担が大きくなります。前輪付き歩行器や前腕支持型などを含め、専門職が適否を評価します。
4.両手の握力が保たれていて、数秒程度の立位保持ができる人
正答。最も適切です。
固定式歩行器を両手で持ち上げて操作し、グリップで身体を支えながら足を進めるために必要な基本能力が保たれています。
5.右の足根骨を骨折して、右下肢に体重をかけることができない人
適切ではありません。
右下肢を完全に免荷する必要がある場合は、骨折の状態、医師の荷重指示、上肢筋力、左下肢だけで支える能力などを確認し、松葉杖や歩行器を含む移動方法を専門職が慎重に選びます。「右下肢に体重をかけられない」という情報だけでは、固定式歩行器に適しているとは判断できません。
覚えるポイント
固定式歩行器は、「両手で持ち上げる」「両手で支える」「数秒立つ」「足を順に出す」能力が必要です。
片手が使いにくい人、両上肢が弱い人、手関節痛がある人には、別の歩行補助具を検討します。
福祉用具は病名だけで選ばず、身体機能、荷重指示、認知機能、生活環境、本人の希望を総合して選びます。