37Q50|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、障害者のエンパワメントに関するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 3
正答
3.障害のある人が自らの能力や長所に気づき、課題に対応する。
この問題のポイント
エンパワメントが、専門職から一方的に力を与えられることではなく、本人が自分の力や権利を認識し、選択し、行動できるようになる過程であることを理解する問題です。
本人の強み、経験、希望、周囲の資源を生かし、自分の生活に関する決定や課題解決に主体的に関われるよう支援します。
解説
エンパワメントとは、社会的な制約や差別、情報不足、支援者との力関係などによって、自分の力を発揮しにくくなっている人が、自らの能力、長所、権利、選択肢に気づき、生活を自分で方向づける力を高めていく過程です。
支援者は、本人に代わってすべてを決めるのではなく、わかりやすい情報を提供し、選択肢を確保し、本人の意思表明を支えます。また、本人だけに努力を求めるのではなく、差別的な態度、利用しにくい制度、物理的な障壁など、力を発揮しにくくしている環境も改善します。
本人の長所やできることに注目するストレングスの視点、同じ経験をもつ人同士のピアサポート、権利を守るアドボカシーなどは、エンパワメントを支える重要な考え方です。
選択肢1は、障害の有無にかかわらず地域で普通に生活できる社会を目指すノーマライゼーションに近い説明です。医学的リハビリテーションは生活を支える一つの手段ですが、受けること自体がエンパワメントの定義ではありません。
ひっかけポイント
エンパワメントは「専門職が本人を動かすこと」ではありません。本人がもつ力を見いだし、自己決定と課題解決に参加できるように、支援者と環境が支える考え方です。
介護実践でのポイント
できないことだけを列挙せず、本人が得意なこと、これまで乗り越えてきた経験、支えになる人や場所を確認します。本人が理解できる形で情報を伝え、選択する時間を確保し、決定を実現するために伴走します。
選択肢の確認
1.障害のある人が障害のない人と同等に生活し、活動する社会を目指す。
誤り。
これは、障害のある人もない人も地域で普通に暮らせる社会を目指すノーマライゼーションや社会参加の理念に近い説明です。エンパワメントそのものの説明ではありません。
2.専門職が主導し、障害がある人は受動的に支援を受ける。
誤り。
エンパワメントでは、本人が主体です。専門職が一方的に決め、本人を受動的な立場に置く支援は、自己決定を弱める可能性があります。
3.障害のある人が自らの能力や長所に気づき、課題に対応する。
正答。最も適切です。
本人が自分の強みや権利を認識し、必要な支援を活用しながら、生活上の選択や課題解決に主体的に関わることは、エンパワメントの考え方です。
4.障害のある人が、主体性や人権が守られないことに耐える。
誤り。
エンパワメントは、主体性と人権を回復し、権利を行使できるようにする考え方です。不当な扱いに耐えることを求めるものではありません。
5.障害のある人が、医学的リハビリテーションを受ける。
誤り。
医学的リハビリテーションは機能回復や生活の再構築を支える方法の一つですが、受けること自体がエンパワメントではありません。本人の選択と主体性が重視されます。
覚えるポイント
エンパワメントは、本人が自分の力、長所、権利に気づく過程です。
本人が選択し、意思を表明し、課題解決に参加できるように支援します。
専門職主導ではなく、本人主体の協働が基本です。
ストレングス、自己決定、ピアサポート、アドボカシーと関連します。
本人の努力だけでなく、力を発揮しにくくしている環境や社会的障壁も改善します。