37Q51|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、クローン病(Crohn disease)にみられる特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.栄養障害
この問題のポイント
クローン病(Crohn disease)は、口腔から肛門までの消化管に慢性的な炎症を生じる炎症性腸疾患です。腹痛、下痢、発熱、体重減少などがみられ、摂取量の低下や吸収障害などから栄養障害を起こしやすいことを押さえます。
選択肢5の関節痛も腸管外合併症として起こることがありますが、この選択肢の中で最も特徴的なのは栄養障害です。
解説
クローン病は、消化管に慢性的な炎症や潰瘍を生じる炎症性腸疾患です。病変は口腔から肛門までのどこにも生じますが、小腸末端部や大腸に多く、病変の間に正常な部分を挟む非連続性病変と、腸壁の深い層まで及ぶ全層性炎症が特徴です。
主な症状には、腹痛、下痢、発熱、血便、体重減少、全身倦怠感などがあります。炎症が長く続くと、腸管の狭窄、瘻孔、膿瘍、肛門部病変などを合併することもあります。
腹痛や下痢による食事摂取量の低下、小腸病変による消化・吸収の低下、下痢・出血・蛋白漏出による栄養素の喪失、炎症によるエネルギー消費の増加などが重なるため、低栄養、体重減少、貧血、ビタミンやミネラルの欠乏を生じやすくなります。したがって、正答は「栄養障害」です。
クローン病は寛解と再燃を繰り返します。食事や栄養療法は、病変部位、狭窄の有無、活動性、本人の栄養状態によって異なります。介護福祉職が食品を一律に制限するのではなく、本人の希望を確認し、医師や管理栄養士の方針に沿って支援します。
ひっかけポイント
関節痛や眼症状もクローン病の腸管外合併症として現れることがあります。しかし、この問題では、消化管の慢性炎症と直接結びつきやすい栄養障害が最も適切です。
介護実践でのポイント
腹痛、便の回数・性状、血便、食欲、体重、発熱、倦怠感、脱水徴候を観察します。急な便意に対応できる環境を整え、排泄に関する羞恥心とプライバシーを守ることも大切です。
選択肢の確認
1.視力低下
誤りです。 クローン病では虹彩炎やぶどう膜炎などの眼症状を合併することがありますが、視力低下そのものは代表的な症状ではありません。
2.栄養障害
正しいです。 食事摂取量の低下、消化吸収障害、下痢や出血による栄養素の喪失、炎症による必要エネルギーの増加などから、栄養障害を生じやすくなります。
3.咳嗽{がいそう}
誤りです。 咳嗽は主に呼吸器疾患などでみられる症状であり、クローン病の特徴的な症状ではありません。
4.運動失調
誤りです。 運動失調は、小脳や深部感覚などの障害により運動の協調性が保てなくなった状態であり、クローン病の特徴的な症状ではありません。
5.関節痛
誤りです。 関節痛や関節炎は腸管外合併症として起こることがありますが、すべての人にみられるわけではありません。この選択肢の中で最も特徴的なのは栄養障害です。
覚えるポイント
- クローン病は、口腔から肛門までの消化管に病変が生じる。
- 小腸末端部と大腸に多く、非連続性・全層性の炎症が特徴である。
- 代表的な症状は、腹痛、下痢、発熱、血便、体重減少である。
- 摂取不足、吸収障害、栄養素の喪失、消費量の増加から栄養障害を生じやすい。
- 関節炎や眼症状などの腸管外合併症もあるが、選択肢間で最も適切なものを判断する。