36Q85第36回 介護福祉士国家試験 過去問

介護生活支援技術

標準型車いすを用いた移動の介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.エレベーターに乗るときは、正面からまっすぐに進む。

この問題のポイント

車いすの移動介助では、利用者が前方へ投げ出されること、車いすが後方へ転倒すること、キャスターが溝や段差に挟まることを防ぎます。

急な坂道や段差では速度を落として慎重に進み、段差を降りるときは車いすを後ろ向きにして、駆動輪である後輪から降ろすのが基本です。エレベーターには、出入口の溝や段差に対して正面からまっすぐ進入します。

解説

標準型車いすは、前方に小さなキャスター、後方に大きな駆動輪があります。キャスターは小さく、溝や段差に引っかかりやすいため、進行方向と路面の状況を確認して操作する必要があります。

エレベーターに乗るときは、扉が十分に開いていることを確認し、出入口の溝や段差に対して車いすを正面に向け、まっすぐ進入します。斜めに入ると、左右の車輪が異なるタイミングで溝を通過して車いすが傾いたり、キャスターが挟まったりする危険があります。

急な上り坂では一歩ずつゆっくり押し、押し戻されないようにします。急な下り坂では、利用者が前方へずり落ちたり投げ出されたりするのを防ぐため、一般に車いすを後ろ向きにして、介助者が進行方向を確認しながらゆっくり下ります。

ひっかけポイント

段差を越えるときに浮かせることがあるのは、小さく引っかかりやすいキャスターです。「駆動輪」は後方の大きな車輪であり、踏切で駆動輪を上げたまま進むことはできません。

介護実践でのポイント

移動前には、タイヤ、ブレーキ、フットサポート、利用者の足と麻痺側上肢の位置を確認します。動き始める前と坂道・段差・エレベーターに入る前には必ず声をかけ、利用者の姿勢と表情を確認しながらゆっくり操作します。危険な踏切や急坂は、可能であれば安全な経路へ迂回します。

選択肢の確認

1.急な上り坂は、すばやく進む。

誤りです。
急いで押すと車いすの姿勢が不安定になり、介助者が足を滑らせたり、車いすが後方へ押し戻されたりする危険があります。歩幅を広げ、重心を低くして、一歩ずつゆっくり進みます。

2.急な下り坂は、前向きで進む。

誤りです。
急な下り坂を前向きで進むと、速度が出て制御しにくくなり、利用者が前方へずれたり転落したりする危険があります。一般に車いすを後ろ向きにし、介助者が後方を確認しながらゆっくり下ります。

3.踏切を渡るときは、駆動輪を上げて進む。

誤りです。
駆動輪は後方の大きな車輪で、車いすの荷重を支える主要な車輪です。踏切では左右の安全を確認し、レールに対してできるだけ直角に進みます。必要に応じて溝に引っかかりやすい前方のキャスターに注意します。

4.エレベーターに乗るときは、正面からまっすぐに進む。

正しいです。
出入口の溝や小さな段差に対して正面からまっすぐ進むことで、キャスターが斜めに挟まることや、車いすが左右に傾くことを防ぎやすくなります。

5.段差を降りるときは、前輪から下りる。

誤りです。
前輪から降りると、車いすが前方へ大きく傾き、利用者が前に投げ出される危険があります。車いすを後ろ向きにし、まず駆動輪をゆっくり降ろした後、キャスターを静かに降ろします。

覚えるポイント

  • 車いすは、声をかけてからゆっくり動かす。
  • 急な上り坂では、押し戻されないよう一歩ずつゆっくり進む。
  • 急な下り坂では、一般に後ろ向きでゆっくり下る。
  • 段差を降りるときは、後ろ向きで駆動輪から降ろす。
  • キャスターは小さく、溝や段差に引っかかりやすい。
  • 踏切では、レールに対してできるだけ直角に進む。
  • エレベーターには、出入口に対して正面からまっすぐ進入する。
  • 移動前に、足、麻痺側上肢、ブレーキ、フットサポートを確認する。

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