36Q72|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、介護における感染症対策として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.排泄{はいせつ}の介護は、利用者ごとに手袋を交換する。
この問題のポイント
感染症の有無にかかわらず、すべての人の血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物などには感染性があるものとして対応する考え方を、標準予防策(スタンダード・プリコーション)といいます。
排泄介護で使用した手袋には、便や尿に含まれる病原体が付着している可能性があります。別の利用者へ病原体を運ばないため、手袋は利用者ごと、さらに必要に応じてケアごとに交換します。
解説
介護現場の感染対策では、「1ケア1手洗い」と「ケアの前後の手指衛生」が基本です。利用者に触れる前後、血液・体液・排泄物などに触れた後、利用者周辺の物品に触れた後などに、手洗いや手指消毒を行います。
排泄介護では、便や尿、汚染されたおむつなどに触れる可能性があるため、使い捨て手袋を着用します。手袋は利用者1人ごと、ケアごとに交換し、外した後には手指衛生を行います。手袋を着用しても、手洗いや手指消毒を省略することはできません。
嘔吐物を処理するときは、素手ではなく、使い捨て手袋、エプロンやガウン、マスクを着用し、飛散のおそれがあればゴーグルやフェイスシールドも使用します。施設の手順に従って処理し、汚染範囲を適切に消毒します。
食事を扱う前には手指衛生を行います。くしゃみや咳が出るときは、ティッシュ、マスク、衣服の袖などで口と鼻を覆い、その後に手指衛生をしてから業務へ戻ります。
ひっかけポイント
手袋を着用していれば何人もの利用者を続けて介護できるわけではありません。手袋の表面は汚染されていると考え、利用者ごと、ケアごとに交換し、外した後には必ず手指衛生を行います。
介護実践でのポイント
感染症の診断がない利用者にも標準予防策を適用します。個人防護具は処置の内容と飛散の危険性に応じて選び、着脱時に自分の手や衣服を汚染しないようにします。発熱、下痢、嘔吐などがみられたときは、利用者の尊厳とプライバシーに配慮しながら、速やかに看護職員や責任者へ報告します。
選択肢の確認
1.手洗いは、液体石鹸{えきたいせっけん}よりも固形石鹸{こけいせっけん}を使用する。
誤りです。
介護現場では、複数人が直接触れる固形石鹸より、衛生的に管理しやすい液体石鹸を使用します。目に見える汚れがあるときは、液体石鹸と流水で手を洗います。
2.配膳時にくしゃみが出たときは、口元をおさえた手でそのまま行う。
誤りです。
口元を押さえた手には飛沫や病原体が付着している可能性があります。くしゃみはティッシュ、マスク、衣服の袖などで覆い、手が汚染された可能性があるときは手指衛生をしてから配膳を再開します。
3.嘔吐物{おうとぶつ}の処理は、素手で行う。
誤りです。
嘔吐物には感染性の病原体が含まれる可能性があります。使い捨て手袋、エプロンやガウン、マスクなどを着用し、飛散の危険があれば眼の防護も行います。
4.排泄{はいせつ}の介護は、利用者ごとに手袋を交換する。
正しいです。
排泄物に触れた手袋を別の利用者のケアに使うと、病原体を運ぶ交差感染の原因になります。手袋は利用者ごと、必要に応じてケアごとに交換し、外した後に手指衛生を行います。
5.うがい用のコップは、共用にする。
誤りです。
口や唾液に触れるコップを共用すると、接触感染や飛沫感染に関係する病原体が広がる危険があります。利用者ごとに専用のコップを使用し、適切に洗浄・管理します。
覚えるポイント
- 標準予防策では、血液、体液、嘔吐物、排泄物などを感染性があるものとして扱う。
- 手指衛生は「1ケア1手洗い」と「ケアの前後」が基本である。
- 介護現場の手洗いでは、衛生的に管理しやすい液体石鹸を使用する。
- 手袋は利用者ごと、ケアごとに交換する。
- 手袋を外した後にも手指衛生が必要である。
- 嘔吐物は素手で処理せず、必要な個人防護具を使用する。
- 口に触れるコップなどは共用しない。