36Q67|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
個別性や多様性を踏まえた介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2.生活習慣は、生活してきた環境から理解する。
この問題のポイント
利用者を病名や障害特性だけで判断せず、生活歴、文化、環境、価値観、役割、好みなどから一人の生活者として理解する姿勢を問う問題です。
同じ病気や障害がある人でも、育ってきた地域、家族、仕事、食事、服装、睡眠、宗教、趣味、人間関係などによって生活のあり方は異なります。
解説
個別性とは、一人ひとりに固有の心身の状態、生活歴、価値観、希望、得意なこと、役割、人間関係、生活環境などを踏まえて支援することです。多様性とは、年齢、性別、文化、障害、家族形態、生活様式などの違いを尊重することです。
生活習慣は、生まれ育った地域、家庭での役割、職業、文化、経済状況、住環境、長年の経験などの影響を受けて形成されます。起床時間や食事の好みだけを聞くのではなく、「なぜその習慣を大切にしているのか」「その人にとってどのような意味があるのか」を理解することが必要です。
障害特性は支援を考えるための大切な情報ですが、それだけで「その人らしさ」を決めることはできません。できないことだけでなく、できること、工夫すればできること、本人の強み、支えとなる環境を確認します。
生活歴は、成人期以降に限定しません。幼少期、学校生活、仕事、結婚、子育て、地域活動、趣味、重要な出来事など、生涯を通じた経験が現在の生活に影響します。ただし、本人が話したくないことを無理に聞き出さず、目的を説明して必要な範囲で情報を集めます。
同居家族であっても、起床・就寝、食事、衣服、余暇、信仰、プライバシーなどの希望は異なります。家族や施設の都合で一律にそろえるのではなく、安全との両立を検討しながら、本人の選択を尊重します。
ひっかけポイント
個別性は、「全員に違う介助をすること」だけではありません。本人の希望と能力を確認し、その人に必要な部分だけを支援することです。
介護実践でのポイント
「いつもどうしていましたか」「どの方法が落ち着きますか」「自分で行いたい部分はどこですか」と具体的に尋ねます。言葉で伝えにくい場合は、表情、行動、家族からの情報、これまでの記録も参考にします。
選択肢の確認
1.その人らしさは、障害特性から判断する。
誤り。
障害特性は一つの情報にすぎません。生活歴、価値観、希望、役割、能力、環境などを総合して理解します。
2.生活習慣は、生活してきた環境から理解する。
正答。最も適切です。
生活習慣は、家庭、地域、文化、仕事、住環境など、これまで生活してきた環境との関係で形成されます。
3.生活歴は、成人期以降の情報から収集する。
誤り。
生活歴は幼少期から現在までの経験を含みます。必要性と本人の意思に配慮しながら、生涯を通した情報を確認します。
4.生活様式は、同居する家族と同一にする。
誤り。
同じ家で暮らしていても、生活様式や希望は一人ひとり異なります。本人の選択を家族と同一にする必要はありません。
5.衣服は、施設の方針によって統一する。
誤り。
衣服は、本人の好み、文化、体温調節、着脱能力、活動内容などを踏まえて選びます。施設の都合だけで統一しません。
覚えるポイント
利用者を、病名、障害、年齢、要介護度だけで決めつけません。
生活習慣は、生活環境、文化、役割、経験との関係で理解します。
生活歴は、幼少期から現在までの人生全体を含みます。
同居家族であっても、生活様式や希望は同一とは限りません。
本人の意思と残存能力を活かし、必要な部分だけを支援します。