36Q61|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、痰{たん}の吸引の準備に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.吸引器は、陰圧になることを確認する。
この問題のポイント
痰の吸引を始める前に、吸引器と必要物品をどのように準備するかを確認する問題です。
吸引器は、内部の圧を外気より低くする「陰圧」によって痰を吸い出します。そのため、使用前に電源、接続、圧力計を確認し、実際に陰圧がかかることを確かめます。
解説
喀痰吸引は、所定の研修や登録などの要件を満たした介護福祉士等が、医師の指示と医療職との連携の下で行います。実施前には、指示書、対象者、吸引部位、吸引圧、挿入する長さ、体調、必要物品を確認し、本人に説明して同意を得ます。
吸引器は、接続管の末端などをふさいだときに圧力計が作動し、陰圧が生じることを確認します。設定値が指示された範囲から外れている場合に、介護福祉職が自己判断で吸引を続けてはいけません。決められた手順に従い、必要に応じて看護職員等へ連絡します。
吸引びんは、吸引した分泌物をためる容器です。使用施設や家庭の手順に従って洗浄・消毒し、清潔に管理しますが、毎回滅菌した容器を用意するものではありません。
吸引チューブや吸引カテーテルの太さは、吸引する部位、対象者の状態、気管カニューレの内径などを踏まえて、医師や看護職員の指示に沿って選びます。痰の量だけで太いものへ変更すると、粘膜を傷つけたり、空気の通り道をふさいで低酸素を招いたりする危険があります。
洗浄水は、吸引部位と決められた手順に応じて、水道水や滅菌蒸留水などを用います。任意に消毒薬を混ぜるものではありません。また、チューブの外側を拭く清浄綿等も、定められたものを使用し、次亜塩素酸ナトリウムに浸したものを粘膜付近に用いることはしません。
ひっかけポイント
「清潔にすること」と「すべてを滅菌すること」は同じではありません。吸引部位や物品ごとに、清潔操作、消毒、滅菌のどれが必要かを区別します。
介護実践でのポイント
物品の不足や接続不良は、吸引を始めてから気づくと危険です。実施前に、手指衛生、本人確認、説明と同意、体位、吸引器の作動、圧、物品、緊急時の連絡方法まで確認します。
選択肢の確認
1.吸引器は、陰圧になることを確認する。
正答。最も適切です。
吸引器は陰圧によって痰を吸引するため、使用前に接続と作動を確認し、陰圧がかかることを確かめます。
2.吸引びんは、滅菌したものを用意する。
誤り。
吸引びんは、決められた方法で洗浄・消毒し、清潔に管理します。毎回滅菌した吸引びんを用意するという説明は適切ではありません。
3.吸引チューブのサイズは、痰{たん}の量に応じたものにする。
誤り。
サイズは、吸引部位、対象者の状態、気管カニューレの内径、医師や看護職員の指示などに基づいて選びます。痰の量だけを基準に変更しません。
4.洗浄水は、決められた消毒薬を入れておく。
誤り。
洗浄水は、口腔・鼻腔内や気管カニューレ内部など、吸引部位と手順に応じた水を準備します。洗浄水へ任意に消毒薬を入れるものではありません。
5.清浄綿は、次亜塩素酸ナトリウムに浸しておく。
誤り。
清浄綿等は、決められた製品と方法で用います。次亜塩素酸ナトリウムは刺激性があり、吸引チューブを拭く清浄綿として準備するものではありません。
覚えるポイント
吸引器は、使用前に接続と作動を確認し、陰圧がかかることを確かめます。
吸引圧やカテーテルの太さは、介護福祉職が痰の量だけで決めません。
吸引びんは清潔に管理しますが、毎回の滅菌が必要という意味ではありません。
洗浄水と消毒液を混同せず、吸引部位ごとの決められた方法に従います。
喀痰吸引は、医師の指示、本人の同意、医療職との連携、状態観察を前提に行います。