36Q37第36回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

次のうち、前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 3

正答

3.初期には頻尿が出現する。

この問題のポイント

前立腺肥大症では、前立腺によって尿道が圧迫され、排尿に関するさまざまな症状が現れます。初期には頻尿や夜間頻尿などがみられ、進行すると尿勢の低下、残尿感、尿閉などが問題になります。「尿閉」と「無尿」を区別することが重要です。

解説

前立腺は膀胱の出口付近で尿道を取り囲んでいます。前立腺肥大症では、肥大した前立腺が尿道を圧迫するため、尿が出にくくなります。

初期には、尿道の抵抗に対して膀胱が過敏に反応することなどから、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感といった蓄尿症状がみられます。その後、尿の勢いが弱い、排尿開始まで時間がかかる、排尿が途中で途切れる、残尿感があるといった排尿症状が目立つことがあります。

さらに進行すると、膀胱に尿がたまっているのに排出できない「尿閉」を起こすことがあります。これは、腎臓で尿がほとんどつくられない「無尿」とは異なります。

ひっかけポイント

尿道が狭くなる病気なので、「初期から尿が出なくなる」と考えやすい点に注意します。実際には、膀胱が過敏になったり、1回の排尿で十分に出し切れなくなったりするため、初期に「尿が近い」という症状が現れます。また、尿閉と無尿は同じではありません。

介護実践でのポイント

排尿回数だけでなく、夜間頻尿、尿の勢い、排尿にかかる時間、いきみ、残尿感、少量ずつの尿漏れ、下腹部の張りなどを具体的に観察します。急に尿が出なくなり、下腹部の張りや痛みがある場合は尿閉が疑われるため、速やかな医療職への報告が必要です。自己判断で水分を極端に制限せず、夜間は照明や動線を整えて転倒も予防します。

選択肢の確認

1.抗利尿ホルモンが関与している。

誤りです。
抗利尿ホルモンは、腎臓での水分の再吸収を促して尿量を調節するホルモンです。前立腺が肥大して尿道を圧迫するという前立腺肥大症の病態を引き起こすものではありません。

2.症状が進むと無尿になる。

誤りです。
進行すると起こり得るのは、腎臓でつくられた尿を膀胱から排出できない「尿閉」です。「無尿」は腎臓で尿がほとんどつくられない状態であり、区別が必要です。

3.初期には頻尿が出現する。

正しいです。
初期には、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感などがみられます。尿の勢いの低下や残尿感などを伴うこともあります。

4.進行すると透析の対象になる。

誤りです。
前立腺肥大症が進行したからといって、通常ただちに透析の対象になるわけではありません。治療には生活指導、薬物療法、内視鏡的治療や手術などがあり、病状に応じて選択されます。長期間の高度な尿路閉塞が腎機能に影響することはありますが、透析を前立腺肥大症の一般的な進行経過とするのは不適切です。

5.骨盤底筋訓練で回復が期待できる。

誤りです。
骨盤底筋訓練は一部の尿失禁に用いられますが、肥大した前立腺を縮小させたり、尿道の圧迫そのものを解消したりする治療ではありません。

覚えるポイント

  • 前立腺肥大症では、初期から頻尿や夜間頻尿がみられる。
  • 進行すると残尿や尿閉を起こすことがある。
  • 尿閉は「尿がつくられているが出せない状態」、無尿は「尿がほとんどつくられない状態」。
  • 急な排尿不能と下腹部の張り・痛みは、速やかに報告する。

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