36Q38|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
次のうち、高齢期に多い筋骨格系の疾患に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.腰部脊柱管狭窄症{ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう}(lumbar spinal canal stenosis)では下肢のしびれがみられる。
この問題のポイント
高齢期に多い筋骨格系疾患について、「骨」「関節」「筋肉」「神経」のどこに問題が生じるのかを整理します。腰部脊柱管狭窄症では神経が圧迫されるため、下肢の痛みやしびれ、間欠性跛行がみられます。
解説
腰部脊柱管狭窄症は、加齢による骨や椎間板、靱帯などの変化によって脊柱管が狭くなり、その中を通る神経が圧迫される病気です。
代表的な症状には、下肢の痛みやしびれ、筋力低下、間欠性跛行があります。間欠性跛行とは、立ったり歩いたりすると下肢の症状が強くなって歩けなくなり、腰をかがめて休むと再び歩けるようになる状態です。
ほかの選択肢では、骨粗鬆症とサルコペニア、変形性膝関節症と関節リウマチの特徴が入れ替えられています。疾患名だけでなく、主に障害される組織と代表的な症状を対応させて覚えます。
ひっかけポイント
骨粗鬆症は「骨量」、サルコペニアは「筋肉量・筋力・身体機能」の低下です。また、関節リウマチは単なる老化ではなく、免疫の異常が関係する炎症性疾患です。似た言葉を病変の部位で整理すると判断しやすくなります。
介護実践でのポイント
腰部脊柱管狭窄症のある人では、しびれの範囲、筋力、歩ける距離、休むと回復するか、転倒の有無を継続して確認します。歩行補助具や休憩場所を本人と検討し、安全を確保します。急な筋力低下、排尿・排便障害、会陰部の感覚低下などが現れた場合は、速やかな医療職への報告が必要です。運動や活動量は、医師やリハビリテーション専門職の指示を踏まえて個別に調整します。
選択肢の確認
1.骨粗鬆症{こつそしょうしょう}(osteoporosis)は男性に多い。
誤りです。
骨粗鬆症は男性にも起こりますが、特に閉経後の女性に多くみられます。女性ホルモンの減少などによって骨量が低下し、骨折しやすくなります。
2.変形性膝関節症(knee osteoarthritis)ではX脚に変形する。
誤りです。
日本で多くみられる変形性膝関節症では、膝の内側の関節軟骨がすり減り、O脚方向に変形するのが代表的です。病変の部位によって異なる変形もありますが、「X脚に変形する」と一般化した記述は適切ではありません。
3.関節リウマチ(rheumatoid arthritis)は軟骨の老化によって起こる。
誤りです。
関節リウマチは免疫の異常が関係し、関節の滑膜に慢性的な炎症が生じる疾患です。進行すると軟骨や骨が破壊されます。軟骨の加齢性・退行性変化が中心となる変形性関節症とは異なります。
4.腰部脊柱管狭窄症{ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう}(lumbar spinal canal stenosis)では下肢のしびれがみられる。
正しいです。
脊柱管内の神経が圧迫されることで、下肢の痛みやしびれ、筋力低下、間欠性跛行などがみられます。
5.サルコペニア(sarcopenia)は骨量の低下が特徴である。
誤りです。
サルコペニアは、加齢などに伴う骨格筋量の減少と、筋力または身体機能の低下を特徴とします。骨量が低下して骨折しやすくなる疾患は骨粗鬆症です。
覚えるポイント
- 骨粗鬆症:骨量が低下し、骨折しやすくなる。
- 変形性膝関節症:日本ではO脚変形が代表的。
- 関節リウマチ:滑膜の慢性炎症による全身性の疾患。
- 腰部脊柱管狭窄症:下肢のしびれと間欠性跛行。
- サルコペニア:筋肉量・筋力・身体機能の低下。