36Q13|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。 (注) 「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
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正解: 5
正答
5.障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。
この問題のポイント
障害者差別解消法は、障害者基本法に示された差別禁止などの基本理念を具体化し、障害の有無によって分け隔てられない共生社会を実現するための法律です。
対象となる障害者は、障害者手帳をもつ人だけではありません。また、合理的配慮は、過重な負担にならない範囲で、本人との建設的な対話を通じて検討します。
解説
「障害者差別解消法」の正式名称は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」です。行政機関や事業者による障害を理由とする不当な差別的取扱いを禁止し、社会的障壁を取り除くための合理的配慮を求めています。障害者基本法の基本理念を具体化し、障害のある人もない人も人格と個性を尊重しながら共に暮らせる社会を目指す法律です。
法律の対象となる障害者は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害や高次脳機能障害を含む。)、難病などに起因する障害その他の心身の機能障害があり、障害や社会的障壁によって継続的に日常生活または社会生活へ相当な制限を受けている人です。障害者手帳の所持は要件ではありません。
合理的配慮とは、障害のある人から社会的障壁を取り除くための対応を求める意思が示された場合などに、個別の状況に応じて必要な変更や調整を行うことです。ただし、事業の目的、実現可能性、費用、事業規模などを考慮し、実施に伴う負担が過重にならない範囲で提供します。希望された方法が難しい場合でも、すぐに拒否せず、本人と話し合って代替方法を探します。
2024年4月1日からは、行政機関等だけでなく民間事業者にも合理的配慮の提供が法的に義務づけられています。介護サービス事業者も、本人の障害特性と希望に応じた情報提供、意思疎通、設備利用などの工夫が必要です。
ひっかけポイント
「負担があっても必ず希望どおりに行うこと」が合理的配慮ではありません。また、「過重な負担だから何もしない」ことでもありません。本人との建設的対話によって、実行可能な方法を探します。
介護実践でのポイント
障害者手帳の有無だけで配慮の必要性を判断しません。本人がどの場面で何に困っているか、どのような方法を希望するかを確認し、文字、図、読み上げ、筆談、環境調整などを個別に検討します。
選択肢の確認
1.法の対象者は、身体障害者手帳を交付された者に限定されている。
誤りです。
対象者は身体障害者手帳をもつ人に限定されません。知的障害、精神障害、発達障害、難病などに起因する障害を含み、障害者手帳を所持していない人も要件に該当すれば対象です。
2.合理的配慮は、実施するときの負担の大小に関係なく提供する。
誤りです。
合理的配慮は、実施に伴う負担が過重でない範囲で提供します。希望された方法が過重な負担になる場合は、その理由を説明し、本人との建設的対話によって代替方法を検討します。
3.個人による差別行為への罰則規定がある。
誤りです。
一般の人が個人的な関係で接する場面は、この法律が行政機関や事業者に求める具体的措置の直接の対象ではありません。また、個人の差別行為そのものを直接処罰する規定ではありません。事業者が行政の報告要求に応じない場合などに関する過料とは区別します。
4.雇用分野での、障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。
誤りです。
障害者差別解消法は、教育、医療、福祉、交通、商品・サービスなど幅広い分野で差別の解消を進める法律です。雇用分野の具体的な差別禁止や合理的配慮は、主に障害者雇用促進法で定められています。
5.障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。
正しいです。
障害者基本法が掲げる差別の禁止と共生社会の理念を具体化し、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供を通じて障害者差別の解消を進めるために制定されました。
覚えるポイント
障害者差別解消法は、障害者基本法の理念を具体化した法律です。
対象は障害者手帳の所持者に限定されません。
合理的配慮は、過重な負担にならない範囲で、個別に検討します。
困難な場合も一方的に拒否せず、建設的対話によって代替方法を探します。
2024年4月から、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務づけられています。