36Q108|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、介護老人保健施設で多職種連携によるチームアプローチ(team approach)を実践するとき、介護福祉職が担う役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 1
正答
1.利用者の生活状況の変化に関する情報を提供する。
この問題のポイント
多職種によるチームアプローチでは、各職種が専門性と役割を生かして情報を共有します。介護福祉職は利用者の日常生活に継続して関わるため、食事、排泄、睡眠、移動、表情などの生活状況と、その変化を具体的に伝える役割を担います。
解説
介護老人保健施設では、医師、看護職、介護職、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、介護支援専門員、支援相談員、管理栄養士などが、それぞれの専門性を生かして在宅復帰や自立した生活を支援します。
介護福祉職は、食事、排泄、入浴、移動、睡眠などの日常生活を支援する中で、利用者に最も身近な立場から継続的に観察できます。そのため、「食事量が減った」「立ち上がりに時間がかかるようになった」「夜間に何度も目を覚ます」「以前より会話が少ない」など、生活の中で生じた変化を客観的に記録し、チームへ提供することが重要です。
チームアプローチは、介護福祉職が単独で総合的な支援方針を決定したり、他職種を評価したりすることではありません。各職種が自分の役割を果たし、利用者の目標を共有して意見を出し合い、連携して支援します。
ひっかけポイント
多職種連携では、全員が同じ業務を行うわけではありません。それぞれの専門性と権限を尊重したうえで、情報と目標を共有します。介護福祉職に特に期待されるのは、日常生活に密着した具体的な情報です。
介護実践でのポイント
変化を伝えるときは、「元気がない」のような曖昧な表現だけでなく、「昨日から食事を半量残している」「午前中に3回立ち上がろうとしてふらついた」など、いつ、どこで、どのような変化があったかを具体的に共有します。本人の言葉と職員の観察を区別して記録し、急激な体調変化は会議を待たずに看護職や医師へ速やかに報告します。
選択肢の確認
1.利用者の生活状況の変化に関する情報を提供する。
正しいです。
介護福祉職は日常生活の支援を通じて、利用者の食事、排泄、睡眠、移動、表情、人との関わりなどを継続的に観察できます。その変化を具体的にチームへ提供することは、介護福祉職の重要な役割です。
2.総合的な支援の方向性を決める。
誤りです。
総合的な支援の方向性は、利用者本人の意向を中心に、各職種の情報と専門的意見を共有して検討します。介護福祉職が単独で決定するものではありません。
3.サービス担当者会議を開催する。
誤りです。
介護老人保健施設の施設サービス計画では、計画担当介護支援専門員が中心となって担当者の意見を求め、計画を調整します。会議の開催そのものが介護福祉職に固有の役割ではありません。
4.必要な検査を指示する。
誤りです。
検査の必要性を医学的に判断して指示するのは医師の役割です。介護福祉職は生活上の変化を観察・報告し、医学的な判断が必要なときに医療職へつなぎます。
5.ほかの職種が担う貢献度を評価する。
誤りです。
チームアプローチでは、他職種の貢献度を順位づけして評価するのではなく、それぞれの専門性を尊重し、共通の目標に向けて協働します。
覚えるポイント
- 多職種連携では、利用者の目標と情報をチームで共有する。
- 介護福祉職は、日常生活に密着した変化を把握できる。
- 情報は、日時、頻度、状況などを含めて具体的・客観的に伝える。
- 支援方針は一職種が単独で決めず、本人の意向を中心にチームで検討する。
- 医学的な検査の指示は医師が行い、介護福祉職は観察と報告を担う。