36Q104|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
福祉用具を活用するときの基本的な考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.複数の福祉用具を使用するときは、状況に合わせた組合せを考える。
この問題のポイント
福祉用具は、用具を導入すること自体が目的ではありません。利用者の希望、心身の状態、生活動作、住環境などを総合的に捉え、生活上の目標を実現できるように選択・調整します。必要に応じて複数の福祉用具や住宅改修を組み合わせ、導入後も利用状況を確認します。
解説
福祉用具を活用するときは、まず「どのような生活を送りたいのか」「どの動作に困っているのか」という本人の意向と生活上の目標を確認します。そのうえで、身体機能、認知機能、動作能力、住環境、介助者の状況などをアセスメントし、本人に適合する用具を選びます。
一つの福祉用具だけですべての生活課題を解決できるとは限りません。例えば、ベッドからトイレまでの移動を安全に行うために、特殊寝台、移乗用手すり、歩行器などを組み合わせることがあります。ただし、用具同士が干渉したり、動線を狭くしたりすることもあるため、実際の生活場面に合わせて組合せと配置を検討します。
福祉用具と住宅改修は、どちらか一方だけを選ぶものではありません。段差の解消、手すりの設置などの住宅改修と、歩行補助具などを組み合わせることで、より安全で自立した生活につながることがあります。
また、導入後にはモニタリングが必要です。身体状態や生活環境の変化、目標の達成状況、使用頻度、誤った使用方法、不具合や事故の危険がないかを確認し、必要に応じて用具や計画を見直します。
ひっかけポイント
「福祉用具か住宅改修か」という二者択一ではありません。また、家族の負担軽減や専門職の助言は重要ですが、それだけで選ぶのではなく、本人の希望と自立、安全な生活を中心に総合的に判断します。
介護実践でのポイント
福祉用具を導入するときは、カタログ上の機能だけで判断せず、可能であれば本人が実際の生活場面で試します。本人の体格や動作に合っているか、使い方を理解できるか、家の中で安全に操作できるかを確認し、福祉用具専門相談員、介護支援専門員、理学療法士、作業療法士などと連携します。導入後も「置いてあるだけ」「使うと痛い」「かえって動きにくい」といった状況がないかを継続して確認します。
選択肢の確認
1.福祉用具が活用できれば、住宅改修は検討しない。
誤りです。
福祉用具と住宅改修は相互に補うものです。本人の心身の状態や住環境によっては、福祉用具だけでなく、手すりの設置や段差の解消などの住宅改修を組み合わせる必要があります。
2.複数の福祉用具を使用するときは、状況に合わせた組合せを考える。
正しいです。
複数の福祉用具を利用するときは、本人の生活動作、住環境、安全性、用具同士の関係などを踏まえ、目標を実現できる組合せを検討します。
3.福祉用具の選択に迷うときは、社会福祉士に選択を依頼する。
誤りです。
特定の職種に選択を一任するのではなく、本人の意向を確認し、福祉用具専門相談員や介護支援専門員、理学療法士、作業療法士などの専門的な助言を得ながら、多職種で検討します。
4.家族介護者の負担軽減を最優先して選ぶ。
誤りです。
家族介護者の負担軽減も重要な検討要素ですが、それだけを最優先にはしません。本人の希望、尊厳、自立、安全性、使いやすさなどを含めて総合的に判断します。
5.福祉用具の利用状況のモニタリング(monitoring)は不要である。
誤りです。
福祉用具の導入後は、目標の達成状況、使用状況、安全性、身体状態や生活環境の変化などを確認するモニタリングが必要です。その結果に応じて計画や用具を見直します。
覚えるポイント
- 福祉用具は、本人の生活上の目標を実現するための手段である。
- 本人の希望、心身の状態、生活動作、住環境を総合的に評価する。
- 必要に応じて、複数の福祉用具や住宅改修を組み合わせる。
- 選定は本人を中心に、福祉用具専門相談員などの多職種と連携して行う。
- 導入後はモニタリングを行い、適合性、安全性、目標の達成状況を確認する。