36Q101|第36回 介護福祉士国家試験 過去問
Lさん(79歳、男性、要介護2)は、介護老人保健施設に入所して1か月が経過した。睡眠中に大きないびきをかいていることが多く、いびきの音が途切れることもある。夜間に目を覚ましていたり、起床時にだるそうにしている様子もしばしば見られている。 介護福祉職がLさんについて収集すべき情報として、最も優先度の高いものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.睡眠中の呼吸状態
この問題のポイント
「大きないびき」「いびきの音が途切れる」「夜間に目を覚ます」「起床時のだるさ」という情報から、睡眠時無呼吸症候群を疑います。
いびきの音が途切れたときに、単に静かに眠っているのか、それとも呼吸が止まっているのかを確認する必要があります。呼吸は生命に直結するため、寝具や足の動きよりも、睡眠中の呼吸状態を優先して収集します。
解説
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返す病気です。呼吸が止まると血液中の酸素濃度が低下し、呼吸を再開するために短い覚醒が起こります。この状態を一晩に何度も繰り返すと睡眠が分断され、起床時のだるさ、日中の眠気、集中力の低下などが現れます。
Lさんには、大きないびきの後に音が途切れる、夜間に目を覚ます、起床時にだるそうにするといった特徴があります。そのため、いびきが途切れている間の呼吸の有無、胸や腹部の動き、呼吸再開時のあえぎ、顔色、覚醒の様子などを観察することが最も重要です。
介護福祉職が病名を診断するのではありません。観察した事実を具体的に記録し、看護職や医師に速やかに報告して、必要な検査や治療につなげます。
ひっかけポイント
「いびきの音が途切れる」という表現を、「静かになってよく眠っている」と捉えないことが重要です。大きないびきの後の静かな時間は、無呼吸によって空気の流れが止まっている可能性があります。
介護実践でのポイント
無呼吸のように見える時間の長さと回数、胸や腹部の動き、呼吸再開時のあえぎ、顔色、夜間覚醒、起床時や日中の状態を客観的に記録します。強い呼吸困難、チアノーゼ、反応の低下などがみられた場合は、施設の緊急時手順に従って直ちに看護職などへ連絡します。
選択肢の確認
1.枕の高さ
誤りです。
枕の高さは、睡眠時の姿勢や頸部の角度、安楽性に影響するため、必要に応じて確認します。しかし、大きないびきが途切れるという呼吸異常を疑う状況では、まず呼吸の有無や状態を確認することが優先されます。
2.マットレスの硬さ
誤りです。
マットレスの硬さは、寝心地、姿勢保持、体圧分散などに関係しますが、いびきの中断や夜間覚醒の原因を直接確認する情報ではありません。
3.掛け布団の重さ
誤りです。
掛け布団の重さは、本人の安楽や寝返りのしやすさに影響することがありますが、本事例で最も注意すべき呼吸停止の可能性を評価する情報ではありません。
4.睡眠中の足の動き
誤りです。
睡眠中の足の動きは、周期性四肢運動などによる睡眠の中断を考える際の情報になります。しかし、Lさんには大きないびきとその中断がみられているため、呼吸状態の確認が優先されます。
5.睡眠中の呼吸状態
正しいです。
大きないびきの中断、夜間覚醒、起床時のだるさは、睡眠時無呼吸症候群を疑う所見です。いびきが途切れている間の呼吸の有無や、呼吸再開時の様子を確認することが最も優先されます。
覚えるポイント
- 大きないびきと呼吸の中断は、睡眠時無呼吸症候群を疑う重要な所見である。
- 睡眠中の無呼吸や低呼吸は、低酸素と短い覚醒を繰り返す原因になる。
- 睡眠が分断されると、起床時のだるさや日中の眠気につながる。
- いびきが突然静かになったときは、呼吸の有無を確認する。
- 呼吸の有無、胸腹部の動き、顔色、あえぎ、覚醒の様子を観察する。
- 介護福祉職は診断せず、客観的な観察内容を看護職や医師へ報告する。