35Q57第35回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ障害の理解

Cさん(3歳)は、24時間の人工呼吸器管理、栄養管理と体温管理が必要であり、母親(32歳)が生活全般を支えている。Cさんの母親は、「発達支援やショートステイを活用したいのに、市内に事業所がない。ほかにも困っている家族がいる」とD相談支援専門員に伝えた。 D相談支援専門員が、課題の解決に向けて市(自立支援)協議会に働きかけたところ、市内に該当する事業所がないことが明らかになった。 この事例で、地域におけるサービスの不足を解決するために、市(自立支援)協議会に期待される機能・役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 3

正答

3.地域の社会資源の開発

この問題のポイント

個別の相談から、同じ困りごとを抱える家族が地域に複数存在し、必要なサービスそのものが不足していることが明らかになっています。

市(自立支援)協議会には、個別事例から見えてきた課題を地域全体の課題として共有し、関係機関の連携によって不足する社会資源の開発や改善につなげる役割があります。

解説

市(自立支援)協議会は、障害のある人や家族への支援に関わる行政、相談支援事業者、障害福祉サービス事業者、医療、教育、就労、権利擁護などの関係者が、地域の課題を共有して支援体制を整える協議の場です。

Cさんには24時間の人工呼吸器管理などが必要で、母親が生活全般を支えています。しかし、市内には発達支援やショートステイを利用できる事業所がありません。さらに、同じように困っている家族もいるため、これはCさん一家だけの個別課題ではなく、地域に共通するサービス不足です。

この場合、市(自立支援)協議会には、ニーズを把握して関係者間で共有し、既存事業所の受入体制の拡充、新たな事業所の整備、医療・福祉・行政の連携、近隣自治体との広域的な対応などを検討することが期待されます。したがって、最も直接的な機能・役割は「地域の社会資源の開発」です。

なお、協議会が自らサービスを提供するとは限りません。地域の関係者をつなぎ、必要なサービスが整備されるように働きかけることが重要です。

ひっかけポイント

情報発信、権利擁護、構成員の資質向上、基幹相談支援センターに関する評価も、市(自立支援)協議会が扱うことのある重要な機能です。しかし、本問では「地域に必要な事業所がない」という資源不足を実際に解決するための役割が問われています。課題を知らせるだけではなく、必要なサービスを地域につくる「社会資源の開発」が最も適切です。

介護実践でのポイント

利用できるサービスがないときに、「制度上できない」「家族が支えるしかない」と個別問題で終わらせないことが重要です。本人と家族の希望、介護負担、緊急時の不安などを具体的に把握し、相談支援専門員や関係機関へつなぎます。同様のニーズを地域課題として集約することが、サービスの新設や受入体制の拡充につながります。

選択肢の確認

1.困難な事例や資源不足についての情報の発信

誤りです。
課題について情報を発信し、関係者間で共有することは必要です。しかし、情報発信だけでは不足している発達支援やショートステイの確保には至りません。本問はサービス不足の「解決」に最も直接つながる役割を問うています。

2.権利擁護に関する取り組みの展開

誤りです。
権利擁護や虐待防止に関する取組も協議会の重要な役割です。しかし、この事例で中心となる課題は権利侵害ではなく、必要なサービスを提供する事業所が地域に存在しないことです。

3.地域の社会資源の開発

正しいです。
地域に共通するニーズを把握し、既存サービスの拡充や新たな事業所の整備などにつなげる役割です。発達支援やショートステイが不足している本事例に最も適しています。

4.構成員の資質向上

誤りです。
研修などによって構成員や支援者の資質を高めることは、支援の質の向上につながります。しかし、事業所そのものがないというサービスの量的不足を直接解決するものではありません。

5.基幹相談支援センターの運営評価

誤りです。
基幹相談支援センターの設置や取組状況を検証することも協議会の機能に含まれ得ますが、本事例で不足している発達支援やショートステイを整備するための直接的な役割ではありません。

覚えるポイント

  • 個別事例から見えた共通の困りごとは、地域課題として整理する。
  • 市(自立支援)協議会は、地域の関係機関が課題を共有して支援体制を整える場である。
  • 必要なサービスや事業所がない場合は、「地域の社会資源の開発」と結びつける。
  • 社会資源の開発には、新設だけでなく、既存事業所の機能拡充や広域連携も含まれる。
  • 情報共有は課題解決の出発点であり、資源開発は具体的な解決に向けた働きかけである。
  • 本人と家族の声を地域の支援体制づくりに反映させる。
  • 医療的ケア児への支援では、本人の発達支援と家族のレスパイトの双方を考える。

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