35Q58第35回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ障害の理解

Eさん(38 歳,男性)は,脳梗塞(cerebral infarction)を発症し,病院に入院していた。退院時に,右片麻痺と言語障害があったため,身体障害者手帳 2 級の交付を受けた。現在,Eさんと家族の希望によって,自宅で生活しているが,少しずつ生活に支障が出てきている。Eさんの今後の生活を支えるために,障害福祉サービスの利用を前提に多職種連携による支援が行われることになった。Eさんに関わる関係者が果たす役割として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 5

正答

5.相談支援専門員が,サービス担当者会議を開催する。

この問題のポイント

本問では、Eさんが利用しようとしている制度が「障害福祉サービス」であることが明示されています。

障害福祉サービスの利用にあたって、本人の希望や生活状況を把握し、サービス等利用計画を作成して関係者を調整する中心的な役割を担うのは相談支援専門員です。

解説

障害福祉サービスを利用するときは、相談支援専門員が本人や家族と面接し、生活上の希望、心身の状態、生活環境、利用できる社会資源などを把握します。そのうえでサービス等利用計画案を作成し、支給決定後にはサービス担当者会議を開催して、本人、家族、サービス提供事業者、医療職などの意見を調整します。

Eさんには右片麻痺と言語障害があります。相談支援専門員は、多職種の意見を集めるだけでなく、Eさん本人の意思を確認し、本人が希望する生活を中心に支援目標と役割分担を整理する必要があります。

「障害福祉計画」と「サービス等利用計画」の違いも重要です。障害福祉計画は、市町村や都道府県が地域全体のサービス提供体制や必要量などを定める行政計画です。一方、サービス等利用計画は、一人ひとりの生活を支えるために相談支援専門員が作成する個別の計画です。

ひっかけポイント

介護支援専門員、主治医意見書、要介護認定、地域包括支援センターは、主として介護保険制度と結びつく用語です。Eさんは38歳であり、本問では障害福祉サービスの利用を前提としているため、障害福祉制度における相談支援専門員の役割を選びます。

介護実践でのポイント

言語障害がある人について、発語の困難だけで「意思を確認できない」と判断してはいけません。短い質問、はい・いいえで答えられる方法、文字、絵、写真、指さしなど、本人に合った手段を用います。家族や専門職の意見だけで決めず、時間を確保して本人の意思を支援計画へ反映させます。

選択肢の確認

1.介護支援専門員(ケアマネジャー)が,介護サービス計画を作成する。

誤りです。
介護支援専門員が作成する介護サービス計画は、介護保険制度におけるケアプランです。本問は障害福祉サービスの利用を前提としているため、相談支援専門員がサービス等利用計画を作成します。

2.医師が,要介護認定を受けるための意見書を作成する。

誤りです。
主治医意見書は介護保険の要介護認定で用いられます。Eさんは38歳であり、本問で示されているのは障害福祉サービスの利用です。現在の支援過程における中心的な役割ではありません。

3.基幹相談支援センターの職員が,障害福祉計画を立てる。

誤りです。
障害福祉計画は、市町村や都道府県が策定する地域全体の行政計画です。基幹相談支援センターの職員がEさん個人のために作成する計画ではありません。個別支援ではサービス等利用計画を用います。

4.地域包括支援センターの職員が,認定調査を行う。

誤りです。
地域包括支援センターは、高齢者の総合相談や権利擁護、介護予防支援などを担います。本事例は障害福祉サービスの利用調整が前提であり、地域包括支援センター職員による認定調査を中心とする場面ではありません。

5.相談支援専門員が,サービス担当者会議を開催する。

正しいです。
相談支援専門員は、サービス等利用計画の作成過程で関係者を集め、本人の希望、支援目標、各事業者の役割などを共有・調整するサービス担当者会議を開催します。

覚えるポイント

  • 障害福祉サービスの個別計画は「サービス等利用計画」である。
  • サービス等利用計画を作成するのは相談支援専門員である。
  • 相談支援専門員は、サービス担当者会議を開催して多職種を調整する。
  • 介護保険の介護サービス計画を作成するのは介護支援専門員である。
  • 障害福祉計画は、市町村や都道府県が策定する地域全体の行政計画である。
  • 制度を判断するときは、年齢だけでなく、問題文に示された利用制度を確認する。
  • 言語障害があっても、本人に合った意思疎通方法を工夫して意思決定を支援する。

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