35Q123第35回 介護福祉士国家試験 過去問

総合問題総合問題

次の事例を読んで,問題 123 から問題 125 までについて答えなさい。 〔事 例〕Eさん(35 歳,男性)は,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり,V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。Eさんは,毎日のスケジュールを決め,規則や時間を守ってプログラムに参加しているが,周りの人や物事に関心が向かず,予定外の行動や集団行動はとりづらい。コミュニケーションは,話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。Eさんが利用するV障害者支援施設では,就労継続支援事業も行っている。災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため,施設として防災対策に力を入れている。また,通所している利用者も多いので,V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。 Eさんのストレングス(strength)に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

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正解: 2

正答

2.自分で決めたことを継続する。

この問題のポイント

ストレングスとは、本人が持つ能力、得意なこと、意欲、経験、環境、周囲の支えなど、生活や目標の実現に生かせる「強み」です。

Eさんは、自分で毎日のスケジュールを決め、規則や時間を守ってプログラムへ継続的に参加しています。この事実から、「自分で決めたことを継続する力」がストレングスとして捉えられます。

解説

ストレングスの視点では、できないことや問題だけを見るのではなく、本人がすでにできていること、うまくいく条件、関心、希望、活用できる社会資源を見つけ、支援に生かします。

Eさんは、予定外の行動や集団行動を取りにくく、話し言葉より絵や文字のほうが伝わりやすいという特性があります。一方で、自らスケジュールを決め、規則や時間を守り、プログラムへ参加し続けています。これは、見通しのある環境では、自分で決めたことを規則的かつ継続的に実行できる力があることを示しています。

ひっかけポイント

障害特性を無理に「長所」と言い換えることがストレングス支援ではありません。事例に実際に示されている行動から、本人ができていることを具体的に見つけます。選択肢2は、スケジュールを決めて守り続けている事実に直接対応しています。

介護実践でのポイント

「自閉症だから予定変更ができない」などと一面的に捉えず、どのような示し方や環境なら力を発揮できるかを本人と確認します。できたことを具体的に伝え、本人が予定や活動を選ぶ機会を保障します。ストレングスを支援者の期待へ利用するのではなく、本人の希望する生活へ結びつけます。

選択肢の確認

1.行動力があり,すぐに動く。
誤りです。 Eさんは予定外の行動を取りにくいと示されています。「すぐに動く」という行動力があるとは、事例から判断できません。

2.自分で決めたことを継続する。
正しいです。 自分で毎日のスケジュールを決め、規則や時間を守ってプログラムへ参加しています。事例に具体的に示されたEさんの強みです。

3.新しいことを思いつく。
誤りです。 新しいことを発想する力については、事例に情報がありません。予定外の行動を取りにくいことから推測して決めつけることも不適切です。

4.コミュニケーション力が高い。
誤りです。 絵や文字を用いると伝わりやすいという情報はありますが、コミュニケーション力全般が高いとは示されていません。

5.いろいろなことに興味がもてる。
誤りです。 事例では、周囲の人や物事に関心が向きにくいと示されています。幅広いことに興味を持てるとは判断できません。

覚えるポイント

  • ストレングスは、本人の能力、得意なこと、意欲、経験、環境などの強みである。
  • 問題や不得意なことだけでなく、できていることを見る。
  • 強みは、事例に示された具体的な行動から把握する。
  • 強みは、本人が希望する生活の実現に活用する。

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