34Q44|第34回 介護福祉士国家試験 過去問
Aさん(78歳、男性、要介護2)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で嚥下障害{えんげしょうがい}がある。自宅で妻と二人暮らしで、訪問介護(ホームヘルプサービス)を週1回利用している。訪問時、妻から、「飲み込みの難しいときがある。上手に食べさせるにはどうしたらよいか」と相談があった。 訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 4
正答
4.肉、野菜、魚などは軟らかく調理するように勧める。
この問題のポイント
嚥下障害がある人の食事支援では、姿勢、食べ物の硬さとまとまり、一口量、食べる速さ、注意の向け方を総合的に整えます。「細かく刻めば安全」とは限らないことが重要です。
解説
嚥下障害がある人には、噛みやすく、口の中でまとまりやすく、飲み込みやすい食形態を選びます。肉、野菜、魚などを軟らかく調理すると、咀嚼に必要な力を減らし、食塊を作りやすくできます。実際の硬さ、粘度、大きさは、本人の嚥下機能の評価に基づき、医師、歯科医師、言語聴覚士、管理栄養士などと連携して調整します。
姿勢も重要です。いすに深く腰掛け、骨盤と体幹を安定させ、足底を床や足台につけます。頭部は強く後ろへ反らさず、必要に応じて軽く顎を引ける姿勢にします。食事中は一口ごとに飲み込みを確認し、むせ、湿った声、呼吸の変化、口腔内の食べ残しなどを観察します。
食べ物を細かく刻むだけでは、口の中でばらばらになってまとめにくく、かえって誤嚥しやすくなることがあります。必要に応じて、とろみやあんを加えるなど、まとまりやすさと滑らかさを調整します。
嚥下体操は、口や頸部を動かし、食べる準備を整える目的で、一般に食事前に行います。食べ物が口に入っているときの会話は、咀嚼や嚥下への集中を妨げ、誤嚥の危険を高めるため控えます。
介護実践でのポイント
むせが増えた、食事時間が長くなった、体重が減った、発熱を繰り返すなどの変化がある場合は、食形態だけで対応せず、サービス提供責任者や医療職へ報告し、嚥下機能の再評価につなげます。
選択肢の確認
1.食事のときは、いすに浅く座るように勧める。
適切ではありません。
浅く座ると骨盤が後ろへ傾き、身体がずり落ちたり、頸部が後屈したりしやすくなります。いすに深く座り、足底を支えて安定した姿勢を整えます。
2.会話をしながら食事をするように勧める。
適切ではありません。
食べ物を口に入れた状態で話すと、呼吸と嚥下の調整が乱れ、誤嚥につながる可能性があります。会話は飲み込みを確認してから行います。
3.食事の後に嚥下体操{えんげたいそう}をするように勧める。
適切ではありません。
嚥下体操は、口唇、舌、頸部などを動かして食事の準備をするため、一般に食事前に行います。食後は口腔内の残留を確認し、口腔ケアなどを行います。
4.肉、野菜、魚などは軟らかく調理するように勧める。
正答。最も適切です。
食材を軟らかくすると噛みやすくなり、口の中で食塊を作って飲み込みやすくなります。本人の嚥下機能に合わせ、まとまりやすさや滑らかさも調整します。
5.おかずを細かく刻むように勧める。
適切ではありません。
細かい刻み食は口腔内で散らばりやすく、まとまりにくいため、嚥下障害の人に一律に適しているとはいえません。評価に基づいた食形態を選びます。
覚えるポイント
嚥下障害の食事は、軟らかく、まとまりやすく、適度に滑らかな形態を検討します。
姿勢は、深く座る、足底を支える、頸部を後屈させないことが基本です。
細かく刻むだけでは安全にならず、食形態は多職種で個別に調整します。