39PM197|第39回 管理栄養士国家試験 過去問
次の文を読み「196」、「197」に答えよ。 K 市健康増進課の管理栄養士である。K 市では過疎化が進み、小売店の閉店が相次ぎ、スーパーマーケットはK 市郊外の1店舗を残すのみとなった。また、高齢者は身体活動の不足による食欲低下により、低栄養傾向にある者の割合が増加している。 この対策として、K 市は健康増進計画において、低栄養傾向にある者の割合の減少に関する10 年間の目標を設定し、取組を行ってきた。 K 市の高齢者における低栄養傾向を改善するために、市内のスーパーマーケットの協力を得て、食環境整備を行うことにした。このスーパーマーケットは、宅配サービスと移動販売車による販売の実績がある。食環境整備の内容に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
小売店が閉店し買い物環境が悪化した過疎地域で、高齢者の低栄養を改善するための食環境整備を選ぶ問題です。地域の課題(食物へのアクセスの悪化)に対応した取組を選びます。
解説
K市では小売店の閉店が相次ぎ、スーパーマーケットは郊外の1店舗のみです。移動手段の限られる高齢者にとって、食料品の買い物が困難な状況(いわゆる買い物弱者、フードデザートの問題)が生じており、これが食欲低下とあいまって低栄養の一因になっていると考えられます。
この課題の核心は「食物へのアクセス(入手可能性)の悪化」です。したがって、食環境整備としては、高齢者が自宅の近くで多様な食品を入手できるようにすることが最優先となります。
スーパーマーケットには移動販売車の実績があるため、扱う食品を増やし、巡回頻度を増やしてもらえば、外出が難しい高齢者でも日常的に食品を入手しやすくなります。また、移動販売車まで買い物に出ることは、外出機会・身体活動の増加や交流にもつながります。
選択肢の確認
1.高齢者を対象に、宅配サービスを無料にしてもらう。
最も適切とはいえない。既存の宅配サービスの料金だけを無料にする案であり、注文できる人や食品の品ぞろえ、利用機会そのものを広げる内容は示されていません。低栄養対策としては、選択肢2の方が多様な食品への物理的アクセスを直接改善します。
2.移動販売車で扱う食品を増やし、巡回頻度を増やしてもらう。
最も適切である。買い物困難という地域の根本課題に対し、既存の移動販売の仕組みを強化して食物へのアクセスを改善する取組です。多様な食品を身近で入手できるようになり、低栄養の改善に直結します。外出のきっかけにもなります。
3.簡単に調理できる料理を店内で実演し、その食材の販売コーナーを作ってもらう。
最も適切とはいえない。店舗は郊外に1つしかなく、来店できる高齢者しか恩恵を受けられません。買い物に行けないことが課題である高齢者には届かない取組です。
4.K 市が低栄養改善のための料理レシピを考案し、店内に置いてもらう。
最も適切とはいえない。情報提供にとどまり、来店できる人しか手に取れません。食物の入手自体が困難という根本課題を解決できず、効果は限定的です。
覚えるポイント
- 過疎地域の低栄養対策では、まず食物へのアクセス(入手可能性)の改善を図る
- 移動販売車の強化は、買い物弱者の食品入手と外出機会の確保の両方に有効
- 店内での取組(実演・レシピ設置)は来店できる人にしか届かず、買い物困難地域では効果が限定的