39PM195|第39回 管理栄養士国家試験 過去問
次の文を読み「193」、「194」、「195」に答えよ。 K 町健康課の管理栄養士である。K 町は人口7,000 人で高齢化率は30%、国民健康保険(国保)加入率は27%である。町民は農業のほか、地場産業関連の中小企業への就労が多い。隣接市には大手A 社の事業場(従業員50 名)があり、勤務している町民もいる。 K 町は、脳血管疾患の標準化死亡比が県内で最も高い。そこで、国保担当者と連携して国保データベース(KDB)システム等の情報を活用し、町民の壮年期からの脳血管疾患対策を検討することになった。 分析の結果、高血圧改善に焦点を当て、栄養分野では減塩に取り組むことになった。県民健康・栄養調査結果を参照すると、K 町を含む地域での食塩摂取源は、調味料が最も多かった。減塩に向けて効果が期待される取組である。 最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
食塩摂取源として調味料が最も多い地域での減塩対策として、効果が期待される取組を選ぶ問題です。多くの住民に日常的に届く食環境整備の視点がカギです。
解説
地域全体の減塩を進めるには、意識の高い一部の人だけに届く取組よりも、住民全体に自然に働きかけるポピュレーションアプローチ、特に食環境整備が効果的です。
この地域の食塩摂取源は調味料が最も多いことが分かっています。したがって、住民が日常的に購入する調味料を減塩調味料に置き換えてもらうことができれば、意識せずに食塩摂取量を減らせます。スーパーマーケットと連携して、減塩調味料の必要性を周知しながら販売促進を継続的に行えば、買い物という日常行動の中で幅広い住民に働きかけることができます。
食環境整備とは、健康的な食物へのアクセス(入手しやすさ)と情報へのアクセスを整えることです。「食物へのアクセス」と「情報へのアクセス」を組み合わせた統合的な取組が最も効果的とされます。
選択肢の確認
1.町のSNS アカウントで、管理栄養士お勧めの減塩レシピ動画を配信する。
最も適切とはいえない。情報提供としては有用ですが、町のSNSを見る人は限られ、さらに動画を見てレシピを実践する人はごく一部です。地域全体の食塩摂取量を下げる効果は限定的です。
2.町の広報誌に高血圧有所見率が高いという情報を掲載し、減塩調味料の利用を呼びかける。
最も適切とはいえない。広報誌による情報提供のみで、実際の購買行動(食物へのアクセス)に直接働きかける仕組みがないため、行動変容につながりにくい取組です。
3.保健センターで、壮年期を対象とした減塩料理教室を開催する。
最も適切とはいえない。料理教室は参加者にしか効果が及ばず、参加できる人数も限られます。壮年期は就労者が多く参加しにくいことも考えられ、地域全体への効果は小さい取組です。
4.スーパーマーケットに協力を依頼し、減塩調味料の必要性の周知とともに、販売促進を毎月行ってもらう。
最も適切である。食塩摂取源として最も多い調味料に的を絞り、住民が日常的に利用する店舗で、情報へのアクセス(必要性の周知)と食物へのアクセス(減塩調味料の入手しやすさ)を組み合わせて継続的に働きかける食環境整備であり、地域全体への効果が期待できます。
覚えるポイント
- 地域全体の減塩には、食物へのアクセスと情報へのアクセスを統合した食環境整備が効果的
- 対策はアセスメント結果(食塩摂取源は調味料が最多)に対応させて選ぶ
- 教室やSNSなど参加・閲覧する人が限られる取組は、地域全体への効果が限定的