36AM89第36回 管理栄養士国家試験 過去問

応用栄養学第36回午前・問82〜97

母乳と調乳に関する記述である。最も適当なのはどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3

この問題のポイント

人乳と牛乳の成分差、初乳の感染防御成分、乳児用調製粉乳を安全に調乳する方法を区別する問題です。

解説

初乳は、分娩後の数日間に分泌される黄色がかった母乳で、成熟乳より分泌型IgA、ラクトフェリン、白血球などの感染防御因子が豊富です。分泌型IgAは乳児の消化管粘膜で病原体の付着を防ぎます。
人乳は牛乳より総たんぱく質量とカゼインの割合が低く、相対的に乳清たんぱく質の割合が高いため、乳児が消化しやすい組成です。脂肪酸は牛乳より不飽和脂肪酸の割合が高いです。
乳児用調製粉乳は無菌とは限らず、クロノバクター・サカザキ(旧名エンテロバクター・サカザキ)などが問題になることがあります。清潔な器具を用い、沸騰後70℃以上に保ったお湯で調乳し、授乳できる温度まで速やかに冷まします。

選択肢の確認

1.人乳は、牛乳よりカゼイン含量が多い。
適当でない。人乳は牛乳よりカゼイン含量が少なく、乳清たんぱく質の割合が高いです。

2.人乳は、牛乳より飽和脂肪酸含量が多い。
適当でない。人乳は牛乳に比べて飽和脂肪酸が少なく、リノール酸などの不飽和脂肪酸の割合が高いです。

3.初乳は、成熟乳より分泌型IgA を多く含む。
最も適当。初乳は成熟乳より分泌型IgAを多く含み、新生児の消化管粘膜で感染防御に働きます。

4.エンテロバクター・サカザキ(坂崎菌)の死滅に必要な調乳温度は、50~60℃である。
適当でない。50~60℃では坂崎菌対策として不十分です。粉ミルクを溶かすときは、70℃以上に保ったお湯を使用します。

5.家庭での1 回分の調乳では、終末殺菌法を用いる。
適当でない。家庭で1回分を調乳する場合は、消毒した器具と清潔な手で調乳する無菌操作法を用い、調乳後に哺乳びんごと加熱殺菌する終末殺菌法は用いません。

覚えるポイント

  • 初乳は分泌型IgAが豊富で、乳児の粘膜免疫を支える
  • 人乳は牛乳よりカゼインが少なく、不飽和脂肪酸の割合が高い
  • 粉ミルクは70℃以上のお湯で調乳し、家庭の1回分は無菌操作法で行う

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