77AM15|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
PET で正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、PET 検査における各種スキャンの目的と、SUV 算出に必要な校正が問われています。
正しいのは、SUV の算出には PET 装置とドーズキャリブレータとのクロスキャリブレーションが必要であるという記述です。
PET の定量評価では、画像上のカウントを放射能濃度として正しく扱う必要があります。
そのため、PET 装置と投与放射能を測定するドーズキャリブレータの値を整合させることが重要です。
解説
PET では、陽電子放出核種を含む放射性医薬品を投与し、体内分布を画像化します。
PET の定量指標としてよく用いられるのが SUV〈standardized uptake value〉 です。
SUV は、組織の放射能濃度を、投与放射能量と体格で補正した値です。
基本的な考え方は次の通りです。
- 組織の放射能濃度を求める。
- 投与した放射能量を確認する。
- 体重などで補正する。
- これらを用いて SUV を算出する。
このとき、PET 装置が示す放射能濃度と、ドーズキャリブレータで測定した投与放射能が同じ基準で校正されていないと、SUV が正しく求められません。
したがって、PET 装置とドーズキャリブレータとのクロスキャリブレーションが必要です。
ひっかけポイント
PET の補正には、ノーマライズ、減弱補正、クロスキャリブレーションなど複数の用語が出ます。
「何を補正するためのものか」を整理して覚えると混乱しにくくなります。
PET における代表的な補正・測定
- エミッションスキャン:放射性医薬品投与後に体内分布を収集する。
- トランスミッションスキャン:外部線源や CT を用いて減弱補正情報を得る。
- ノーマライズスキャン:検出器間の感度差を補正するためのデータを得る。
- クロスキャリブレーション:PET 装置と放射能測定器の定量値を合わせる。
- SUV:放射能濃度、投与量、体重などから算出する定量指標。
選択肢の確認
1.誤り。
エミッションスキャンは、放射性医薬品を投与した後に行います。
投与後の体内分布から放出される消滅放射線を検出して画像化します。
2.誤り。
ノーマライズスキャンは、各検出器の感度差や検出効率のばらつきを補正するためのデータ収集です。
減弱補正そのもののためのデータ収集ではありません。
3.誤り。
トランスミッションスキャンは、被検体による放射線の減弱を評価し、減弱補正に用いるためのデータ収集です。
各検出器の感度のばらつきを補正するのは、ノーマライズスキャンの役割です。
4.誤り。
クロスキャリブレーションは、PET 装置で得られるカウント値や画像値を、放射能濃度として正しく扱えるように校正するために行います。
「放射能濃度値から PET 値(cps/pixel)に変換する」という向きではなく、PET の定量値を実際の放射能濃度に対応づけるための校正です。
5.正しい。
SUV を算出するには、PET 画像上の放射能濃度と、ドーズキャリブレータで測定した投与放射能の整合性が必要です。
そのため、PET 装置とドーズキャリブレータとのクロスキャリブレーションが必要です。
覚えるポイント
- エミッションスキャンは投与後に行う。
- トランスミッションスキャンは減弱補正に関係する。
- ノーマライズスキャンは検出器感度のばらつき補正に関係する。
- クロスキャリブレーションは PET 装置と放射能測定器の定量値を合わせる。
- SUV の算出にはクロスキャリブレーションが必要。