118F36|第118回 医師国家試験 過去問
脳・精神・感覚器・皮膚耳鼻咽喉科咽頭・喉頭・気道
60歳の女性。嗄声を主訴に来院した。1か月前から声がかすれることに気付いた。様子をみていたが症状が改善しないため受診した。安静呼吸時と発声時の喉頭内視鏡像(A、B)を別に示す。 考えられるのはどれか。

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正解: d
正解
d 声帯麻痺
考え方
この問題は、嗄声の原因を喉頭内視鏡像から判断する問題です。
決め手になるのは、一側の声帯が動かず、発声時にも十分に内転しないことです。
この所見から、最も考えやすいのは声帯麻痺です。
この症例で重要な所見
内視鏡では、
- 安静時に一側声帯の位置が不自然
- 発声時に健側は内転するが、患側は十分に動かない
- 声門間隙が残る
という像が典型です。
このため、反回神経障害などによる一側声帯麻痺を考えます。
各選択肢の整理
a 声帯癌
声帯癌では、声帯表面に腫瘤や白斑などの局所病変が目立つことが多いです。
運動障害は進行例でみられますが、最初から典型となるわけではありません。
b 声帯結節
声の酷使で起こりやすく、両側声帯縁に小結節ができます。
運動障害ではなく、構造的な小病変が主体です。
c 声帯ポリープ
多くは片側の限局性病変です。
これも声帯自体の動きは保たれます。
d 声帯麻痺
正解です。
嗄声に加え、発声時の片側声帯不動と声門閉鎖不全があれば最も自然です。
e ポリープ様声帯
両側声帯がびまん性に浮腫状となる病態で、喫煙との関連が有名です。
一側麻痺の像とは異なります。
ひっかけポイント
嗄声を見ると、結節、ポリープ、癌などの「声帯に何かできる病気」を考えがちですが、この問題では病変の形ではなく動きの異常がポイントです。
覚えるポイント
喉頭内視鏡で、
- 片側声帯が動かない
- 発声時に声門間隙が残る
なら、まず声帯麻痺を考えます。