117C74|第117回 医師国家試験 過去問
総合診療・救急・ケア老年医学認知症・せん妄・CGA
入院3日目、患者の状態は改善傾向で酸素も不要となったが、急に呼吸心拍モニターを引きちぎり、「今日は仕事に行く」と言い病室から出ようとした。表情は乏しく、入院中であることを説明しても聞きいれず、複数名での制止を要する状態であった。 対応で誤っているのはどれか。
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正解: e
正解
e 夜間はベンゾジアゼピン系睡眠薬を用いる。
まず病態を考える
入院中に急に、
- モニターを外す
- 病室を出ようとする
- 入院状況を理解できない
- 表情が乏しい
といった行動を示しており、これはせん妄を考える場面である。
せん妄対応の基本
せん妄では、まず非薬物療法が基本となる。
- 脱水を避ける
- 日中の覚醒を保つ
- 早期離床を促す
- 不要なラインやモニターを減らす
- 睡眠覚醒リズムを整える
これらはすべて適切な対応である。
なぜ e が誤りか
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、高齢者では
- せん妄の増悪
- ふらつき
- 転倒
- 呼吸抑制
を起こしやすい。
そのため、せん妄に対して routine に使うべきではない。
例外的に、アルコール離脱やベンゾジアゼピン離脱では用いることがあるが、この症例には当てはまらない。
各選択肢の検討
a 脱水を避ける。
適切である。脱水はせん妄の誘因になる。b 早期離床を促す。
適切である。昼夜逆転や活動性低下を防ぐ。c 日中の覚醒を保つ。
適切である。睡眠覚醒リズムの維持が重要である。d 呼吸心拍モニターを終了する。
適切である。不要な医療機器は不穏や拘束感を強めるため、必要性が低ければ外す。e 夜間はベンゾジアゼピン系睡眠薬を用いる。
誤りである。せん妄を悪化させうる。
ひっかけポイント
「夜眠れないなら睡眠薬」と短絡的に考えると誤る。
せん妄では、まず環境調整と身体状態の是正が基本である。
覚えるポイント
高齢者せん妄では、
- 脱水予防
- 昼夜リズムの維持
- 早期離床
- 不要な機器の除去
を優先する。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬は原則避ける。