34PM44|第34回 柔道整復師国家試験 過去問
40歳の女性。頸椎捻挫の施術中に前頸部の腫れに気が付いた。本人から話を聞いたところ、半年ほど前から仕事をする気力がなくなり、3か月ほど前から皮膚の乾燥と便秘が続いており、寒がりになっているとのことであった。脈拍は46/分・整。下腿前面に指圧痕の残らない浮腫がみられる。考えられるのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、症例文から甲状腺機能低下症を疑えるかが問われています。
前頸部の腫れ、気力低下、皮膚乾燥、便秘、寒がり、徐脈、指圧痕の残らない浮腫は、橋本病による甲状腺機能低下症を考える重要な所見です。
解説
橋本病は、慢性甲状腺炎とも呼ばれる自己免疫性疾患です。甲状腺が障害され、甲状腺ホルモンが不足すると、全身の代謝が低下します。
甲状腺機能低下症では、気力低下、寒がり、皮膚乾燥、便秘、体重増加、徐脈、嗄声、眠気などがみられます。また、ムコ多糖類の沈着により、指で押してもへこみが残りにくい非圧痕性浮腫が出現します。
一方、バセドウ病は甲状腺機能亢進症であり、暑がり、動悸、頻脈、体重減少、発汗、手指振戦などがみられます。
臨床でのイメージ
施術中に前頸部腫脹や全身症状に気づいた場合、単なる頸部症状として扱わず、内科的疾患を疑い医科受診を勧める視点が重要です。
選択肢の確認
1.うつ病
誤り。
気力低下はうつ病でもみられますが、前頸部腫脹、寒がり、皮膚乾燥、便秘、徐脈、非圧痕性浮腫をまとめて説明するには甲状腺機能低下症が適切です。
2.心不全
誤り。
心不全では浮腫や息切れがみられますが、浮腫は圧痕性であることが多く、寒がり、皮膚乾燥、便秘、徐脈、前頸部腫脹を一連の症状として説明しにくいです。
3.橋本病
正しい。
橋本病では甲状腺機能低下症をきたし、気力低下、寒がり、皮膚乾燥、便秘、徐脈、非圧痕性浮腫がみられます。前頸部の腫れも甲状腺腫として考えられます。
4.バセドウ(Basedow)病
誤り。
バセドウ病は甲状腺機能亢進症です。頻脈、暑がり、発汗、体重減少、手指振戦、眼球突出などが重要で、この症例の低代謝症状とは反対です。
覚えるポイント
- 橋本病は甲状腺機能低下症をきたす。
- 低下症では寒がり、皮膚乾燥、便秘、徐脈、気力低下が重要。
- 指圧痕の残らない浮腫は粘液水腫を考える。
- バセドウ病は甲状腺機能亢進症で、頻脈、暑がり、発汗が重要。