33PM114|第33回 柔道整復師国家試験 過去問
11歳の女児。女子野球部の右投げピッチャーである。繰り返しの投球動作で右肩部に痛みを自覚していたが、徐々に悪化し安静時も痛むようになってきたため来所した。肩関節可動域は正常で、他動で痛みは増悪しない。約4週の安静を指導し痛みが消失した。考えられるのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、成長期の投球動作で生じる肩痛から、上腕骨近位骨端線離開を考えます。
成長期では骨端線が力学的に弱い部位です。投球動作の反復により上腕骨近位骨端線へ牽引力や回旋ストレスが加わると、リトルリーグショルダーとも呼ばれる障害が起こります。
解説
11歳の投手が繰り返しの投球で肩痛を自覚し、徐々に悪化して安静時痛も出現しています。肩関節可動域が正常で、他動運動で痛みが増悪しないことから、腱板損傷や関節拘縮よりも成長期特有の骨端線障害を考えます。
上腕骨近位骨端線離開は、小児や成長期の投球スポーツでみられます。投球の加速期やフォロースルーで上腕骨近位骨端線に反復ストレスがかかり、肩痛を生じます。
安静により痛みが軽快する点も、骨端線への反復負荷による障害を支持します。国家試験では、成長期、投球、肩痛、安静で改善という流れを押さえます。
小児・スポーツ外傷への配慮
成長期のスポーツ障害では、筋腱よりも骨端線に負荷が集中することがあります。痛みを我慢して競技を続けると悪化するため、早期の休止と医科での評価が重要です。
選択肢の確認
1.肩関節周囲炎
誤り。
肩関節周囲炎は中高年に多く、疼痛と可動域制限が特徴です。11歳の投手で肩関節可動域が正常な症例とは合いにくいです。
2.棘上筋腱損傷
誤り。
棘上筋腱損傷では外転時痛や外転筋力低下が重要です。成長期の投球障害で、安静により改善した経過からは上腕骨近位骨端線離開を優先します。
3.上腕骨近位骨端線離開
正しい。
成長期の投手に反復する投球ストレスが加わると、上腕骨近位骨端線に障害が起こります。肩痛、安静時痛、安静での改善という経過から考えられます。
4.上腕骨大結節裂離骨折
誤り。
上腕骨大結節裂離骨折は腱板筋の牽引や外傷で起こりますが、この症例では明らかな急性外傷ではなく、成長期の反復投球動作が背景です。
覚えるポイント
- 成長期投手の肩痛では上腕骨近位骨端線離開を考えます。
- リトルリーグショルダーは反復投球ストレスによる骨端線障害です。
- 小児では骨端線が弱点になりやすいです。
- 治療では競技休止、安静、段階的復帰が重要です。