118D035|第118回 歯科医師国家試験 過去問
32 歳の男性。下顎右側歯肉の腫脹と排膿を主訴として来院した。2 日前から痛 みが強くなってきたという。初診時の口腔内写真(別冊No. 11A)とエックス線画像 (別冊No. 11B)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* ③ 3 ⑦ ④ ③ ④ ④ ③ 4 歯 種 4 3 2 唇 側* ③ ⑤ ⑦ ⑤ ④ ④ ④ ③ 4 動揺度** 1 1 1 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 適切な対応はどれか。2 つ選べ。

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正解: d・e
正答
d、e
この問題のポイント
急性症状を伴う深い歯周ポケットでは、まず感染負荷を減らし、排膿を促す保存的処置を行います。正答は歯周ポケット内洗浄とLDDSです。
解説
深いプロービング値、腫脹、排膿を認めるため、歯周ポケット内の細菌性バイオフィルムと滲出物を減らす必要があります。ポケット内洗浄は局所の汚染物を除去し、LDDSは抗菌薬を歯周ポケット内へ局所投与して高濃度を維持する方法です。
急性炎症が強い時期に、歯肉切除やポケット搔爬などの確定的外科処置を直ちに行うのではなく、炎症を鎮静化して再評価します。
症例問題の解き方
腫脹と排膿がある場合は、排膿路、波動、歯周ポケットとの交通、全身症状を確認し、緊急性と処置の侵襲度を比べます。
画像の確認
実画像Aでは下顎右側犬歯・小臼歯部に歯肉の発赤・腫脹があり、歯間部の清掃不良と歯肉退縮もみられる。Bでは同部に局所的な歯槽骨吸収があり、表の7 mmポケット・出血所見と合わせて歯周ポケット由来の急性炎症と読めるため、ポケット内洗浄とLDDSによる局所抗菌療法が適切である。
選択肢の確認
a.歯肉切除
この条件では適切ではありません。
歯肉切除は歯肉性ポケットなどに適応される外科処置で、急性炎症期の初期対応としては適しません。
b.歯肉膿瘍切開
この条件では適切ではありません。
歯肉膿瘍切開は限局した歯肉膿瘍で波動があり排膿路が必要な場合に行います。本症例では深い歯周ポケットからの排膿に対する処置が中心です。
c.歯周ポケット搔爬術
この条件では適切ではありません。
歯周ポケット搔爬術は炎症組織を除去する処置ですが、急性症状の強い段階でまず選ぶ処置ではありません。
d.歯周ポケット内洗浄
正答。適切です。
歯周ポケット内洗浄は汚染物や滲出物を減らし、局所炎症の鎮静化に役立ちます。
e.局所薬物配送システム〈LDDS〉
正答。適切です。
局所薬物配送システム〈LDDS〉は歯周ポケット内に抗菌薬を局所投与し、細菌負荷を低下させます。
覚えるポイント
- 急性歯周感染ではまず局所の洗浄と感染制御を行います。
- LDDSは歯周ポケット内へ薬剤を局所投与する方法です。
- 急性炎症を鎮静化した後に再評価して確定治療を決めます。