118B058第118回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

4 歳の男児。下顎乳前歯部の審美不良を主訴として来院した。1 年前に下顎両側 乳中切歯は自然脱落したという。診察の結果、下顎両側第二乳臼歯部にAdams ク ラスプを付与した義歯を製作することとした。初診時の口腔内写真(別冊No. 17A) とエックス線画像(別冊No. 17B)を別に示す。 製作する義歯について正しいのはどれか。3 つ選べ。

118B058の問題画像
3つ選択
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正解: a・d・e

正答

a、d、e

この問題のポイント

小児義歯は成長発育、歯の萌出、保隙、審美性を考慮し、定期的な調整と再製作を前提に設計します。

解説

4歳児では顎堤や歯列弓が成長し、永久歯も発育・萌出します。そのため義歯は長期間同じものを使い続けず、適合、咬合、床縁、永久歯萌出を定期的に確認して作り直します。

Adamsクラスプは乳臼歯へ維持を求める際に用い、0.7 mm程度のステンレススチールワイヤーが選択されます。義歯床は残存乳歯の舌側歯頸部へ適合させ、支持・安定を得ます。

画像の確認

実画像では、下顎乳中切歯2歯が欠損して前歯部に空隙があり、X線像には発育中の後継永久歯が写っている。成長に応じて義歯を作り直し、床を舌側歯頸部へ接触させ、第二乳臼歯のAdamsクラスプに0.7 mm線を用いる正答a・d・eに対応する。

選択肢の確認

a.装着後は成長とともに作り直す。
正しい。
顎と歯列の成長、永久歯萌出によって適合が変化するため、経過に合わせて調整・再製作します。

b.唇側の床縁は歯肉唇移行部に設定する。
誤り。
小児義歯の唇側床縁を歯肉唇移行部まで過度に延長すると、成長や筋機能を妨げ、違和感を生じる可能性があります。適切な短さに設定します。

c.床後縁は両側乳犬歯の遠心部に設定する。
誤り。
Adamsクラスプを第二乳臼歯へ付与する設計では、床は乳犬歯遠心部だけで終わらず、支台歯部まで延長して支持・連結を得ます。

d.義歯床は舌側の歯頸部に接するように設定する。
正しい。
義歯床を舌側歯頸部へ適合させることで、床の安定と食片圧入防止を図ります。

e.クラスプに用いるワイヤーの直径は0.7 mm とする。
正しい。
乳臼歯用Adamsクラスプには、適度な弾性と強度をもつ直径0.7 mm程度のワイヤーを用います。

覚えるポイント

  • 小児義歯は成長と永久歯萌出に合わせて再製作します。
  • Adamsクラスプには0.7 mm程度のワイヤーを用います。
  • 床縁は機能運動と成長を妨げない範囲に設定します。

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