118A064|第118回 歯科医師国家試験 過去問
41 歳の女性。上顎左側前歯と小臼歯部の審美不良を主訴として来院した。6 か 月前から気付いていたがそのままにしていたという。角化歯肉の幅は上顎左側犬歯 において1 mm 程度である。歯周基本治療後の再評価時の口腔内写真(別冊No. 19 A)とエックス線画像(別冊No. 19B)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に 示す。 唇 側* 3 2 3 3 2 3 3 2 ③ 歯 種 2 3 4 口蓋側* 3 2 3 3 2 3 3 2 3 動揺度** 0 0 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 適切な治療法はどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
浅い歯周ポケットで炎症が概ねコントロールされ、審美部位の歯肉退縮と薄い角化歯肉が問題となる場合は、根面被覆と組織の厚み増加に優れる結合組織移植術を選びます。
解説
患者の主訴は審美不良で、上顎犬歯部の角化歯肉幅は約1 mmです。結合組織移植術では、口蓋から採取した結合組織を受容床へ移植し、歯肉弁で被覆します。
周囲歯肉に近い色調を得やすく、歯肉の厚みを増し、根面被覆の予知性が高いことが利点です。
治療選択のポイント
歯周基本治療後に炎症を安定させ、退縮形態、歯間部支持、角化歯肉、審美要求を評価します。
画像の確認
実画像では、上顎左側犬歯の唇側歯肉が局所的に大きく退縮し、根面が露出して角化歯肉幅も狭い。根面被覆と歯肉厚の増大を図る結合組織移植術を選ぶ正答aを支える。
選択肢の確認
a.結合組織移植術
正答。最も適切です。
審美部位の根面被覆と歯肉の厚み増加を同時に図ることができます。
b.歯肉剝離搔爬術
適切ではありません。
深い歯周ポケット内の病変除去を目的とする手術です。本症例はポケットが浅く、主訴は歯肉退縮による審美不良です。
c.遊離歯肉移植術
状況によって行いますが、最も適切ではありません。
角化歯肉幅の増大には有効ですが、移植片の色調差が出やすく、審美的根面被覆では結合組織移植術が優れます。
d.両側乳頭弁移動術
適応となる場合がありますが、本症例での第一選択ではありません。
隣接乳頭の幅や血流など条件が限られ、複数歯や薄い歯肉への対応では結合組織移植術が予知性に優れます。
e.歯肉弁根尖側移動術
誤り。
歯周ポケット除去や臨床的歯冠長延長に用い、歯肉辺縁を根尖側へ移動するため退縮を悪化させます。
覚えるポイント
- 審美部位の根面被覆は結合組織移植術が代表です。
- 遊離歯肉移植術は角化歯肉増大に優れますが色調差に注意します。
- 根尖側移動術は歯肉退縮を治す術式ではありません。