118A009|第118回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯周病学
シスプラチンで生じやすいのはどれか。1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: e
正答
e
この問題のポイント
抗悪性腫瘍薬は、増殖の速い腫瘍細胞だけでなく、口腔粘膜、骨髄、消化管上皮などの正常細胞にも影響します。そのため口腔粘膜炎が重要な有害事象になります。
解説
シスプラチンは白金製剤で、DNAに架橋を形成して腫瘍細胞の増殖を抑えます。代表的な有害事象には腎障害、悪心・嘔吐、骨髄抑制、聴覚障害などがあり、がん化学療法に伴う口腔有害事象として口腔粘膜炎も生じます。
口腔粘膜炎では疼痛、摂食障害、感染リスクの増加が問題となるため、治療前からの口腔衛生管理が重要です。
周術期口腔機能管理のポイント
がん薬物療法前に感染源を減らし、治療中は粘膜の保護、疼痛管理、口腔清掃を継続します。
選択肢の確認
a.口 渇
誤り。
口渇や口腔乾燥は、唾液腺への放射線照射、抗コリン作用薬、脱水などで生じやすい所見です。シスプラチンの代表的な口腔有害事象としては口腔粘膜炎が重要です。
b.顎骨壊死
誤り。
顎骨壊死は、骨吸収抑制薬や血管新生阻害薬に関連する薬剤関連顎骨壊死が代表的です。
c.歯肉肥大
誤り。
歯肉増殖はニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬、フェニトイン、シクロスポリンなどでみられます。
d.血管性浮腫
誤り。
血管性浮腫はACE阻害薬などで問題となります。気道閉塞の危険があるため緊急対応が必要です。
e.口腔粘膜炎
正しい。
抗悪性腫瘍薬により口腔粘膜の更新が障害され、発赤、びらん、潰瘍、疼痛を伴う粘膜炎が生じます。
覚えるポイント
- シスプラチンは白金製剤です。
- 代表的有害事象は腎障害、悪心・嘔吐、骨髄抑制、聴覚障害です。
- がん化学療法では口腔粘膜炎と感染予防が重要です。