117B090第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

9 歳の女児。口腔粘膜の異常を主訴として来院した。3 日前から発熱があり、そ の後口腔内症状が発現したという。水分摂取時に疼痛があり、口臭を認める。初診 時の口腔内写真(別冊No. 34A)と口唇の写真(別冊No. 34B)を別に示す。 原因として考えられるのはどれか。1 つ選べ。

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正解: d

正答

d

この問題のポイント

発熱に続いてびまん性歯肉炎、多発性口腔潰瘍、口唇病変、口臭を生じる小児では、初感染の単純疱疹性歯肉口内炎を考えます。

解説

単純疱疹ウイルスの初感染では、高熱、倦怠感、所属リンパ節腫脹に続き、歯肉全体の発赤・腫脹と口腔内の小水疱・潰瘍が生じます。疼痛が強く、水分摂取が困難となり、脱水に注意が必要です。

コクサッキーAウイルスによるヘルパンギーナは軟口蓋・口峡部後方に病変が集中し、歯肉炎は目立ちません。手足口病では手掌・足底の発疹を確認します。

症例問題の解き方
発熱の先行、びまん性歯肉炎、前方を含む口腔全体の病変、口唇病変を組み合わせます。

画像の確認

実画像では、硬口蓋を含む口腔前方に円形の発赤・びらんがあり、下唇にも赤いびらん性病変が見える。後方口峡部だけに限局せず口唇まで及ぶ発熱後の病変分布は初感染単純疱疹性歯肉口内炎に合い、単純疱疹ウイルスの正答dを支持する。

選択肢の確認

a.水痘ウイルス
誤り。
水痘ウイルスでは全身の水疱性皮疹が中心で、びまん性歯肉炎を伴う初感染性歯肉口内炎の典型ではありません。

b.風疹ウイルス
誤り。
風疹では発疹、リンパ節腫脹などが中心で、多発性有痛性口腔潰瘍と歯肉炎は典型ではありません。

c.麻疹ウイルス
誤り。
麻疹では発熱、咳、結膜炎、Koplik斑などがみられます。

d.単純疱疹ウイルス
正しい。
単純疱疹ウイルス初感染による疱疹性歯肉口内炎では、発熱後にびまん性歯肉炎と多発性潰瘍を生じます。

e.ムンプスウイルス
誤り。
ムンプスウイルスは流行性耳下腺炎を起こし、耳下腺腫脹が中心です。

f.コクサッキーA ウイルス
誤り。
コクサッキーAウイルスはヘルパンギーナや手足口病の原因となりますが、びまん性歯肉炎を伴う本症例とは異なります。

覚えるポイント

  • 初感染性疱疹性歯肉口内炎は単純疱疹ウイルスが原因である。
  • 発熱後にびまん性歯肉炎と多発性潰瘍が出現する。
  • 小児では疼痛による脱水に注意する。

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