116D057第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

85 歳の男性。上顎右側臼歯口蓋側のブラッシング時の出血を主訴として歯科訪 問診療の依頼があった。5 年前から家族同行でかかりつけ歯科医へ通院していた が、6 か月前に脳梗塞を発症し、意識障害があり、寝たきり状態であるという。口 腔清掃は全介助である。初診時の口腔内写真(別冊No. 20A)とエックス線画像(別 冊No. 20B)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 頰 側* ③ 3 ④ ④ 3 ④ ④ 3 ④ 歯 種 7 6 5 口蓋側* ④ ③ ④ ④ ③ ④ ④ ③ ④ 動揺度** 0 0 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印 :プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 適切な対応はどれか。3 つ選べ。

116D057の問題画像
3つ選択
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正解: a・c・d

正答

a、c、d

この問題のポイント

寝たきりで意識障害があり口腔清掃が全介助の患者では、安全な機械的清掃と介助者教育を中心にします。

解説

深い歯周ポケットや動揺はなく、主な問題はプラーク・歯石と歯肉出血です。歯科医療者による**PTC〈professional tooth cleaning〉**と手用スケーラーによる歯石除去を行い、日常管理を担う介助者へ具体的な口腔清掃方法を指導します。

意識障害がある患者へ洗口剤を自力使用させると誤嚥の危険があります。LDDSは限局した深い歯周ポケットなどで補助的に用いるもので、基本的な機械的デブライドメントの代替ではありません。

画像の確認

実画像では、上顎右側臼歯の口蓋側を厚い黄褐色のプラーク・歯石が覆い、歯肉辺縁に発赤がみえる一方、エックス線像で高度な骨吸収はみえない。全介助で意識障害があるため、医療者がPTCと手用スケーラーで機械的に除去し、日常清掃を担う介助者へ手技を指導するのが所見と安全性に合う。

選択肢の確認

a.PTC
正しい。PTCによりプラーク・バイオフィルムを専門的に除去します。

b.洗口剤使用の指導
誤り。意識障害があるため、洗口剤の使用は誤嚥リスクがあり適切ではありません。

c.手用スケーラーの使用
正しい。訪問環境でも手用スケーラーで歯石を除去し、炎症原因を減らせます。

d.介助者への口腔清掃指導
正しい。日常の清掃は全介助であるため、介助者への実技を含む口腔清掃指導が不可欠です。

e.局所薬物配送システム〈LDDS〉
誤り。局所薬物配送システム〈LDDS〉は補助療法であり、浅いポケットが中心の本症例で最優先ではありません。

覚えるポイント

  • 意識障害患者では洗口剤の誤嚥に注意します。
  • 訪問歯科では介助者教育が治療の一部です。
  • 基本は機械的プラーク・歯石除去です。

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