116D050第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

11 歳の女児。口蓋裂の診断で1 歳時に口蓋形成術を受けた。術後、発話時の鼻 漏れが残存し、スピーチエイドを用いた言語訓練を受けてきたが、改善がみられな い。現在の口腔内写真(別冊No. 15A)、安静時と「ア」発声時の軟口蓋の写真(別冊 No. 15B)及び安静時と「イ」発声時のエックス線画像(別冊No. 15C)を別に示す。 適切な治療はどれか。1 つ選べ。

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正解: b

正答

b

この問題のポイント

口蓋形成術後の鼻咽腔閉鎖不全では、軟口蓋の運動と咽頭壁との間隙を評価し、保存的治療で改善しない場合に手術を検討します。

解説

本症例では発話時にも鼻漏れが残り、スピーチエイドと言語訓練で改善していません。画像では発声時の鼻咽腔閉鎖が不十分であるため、咽頭後壁と軟口蓋の間を狭める咽頭弁形成術が適切です。

瘻孔閉鎖術は実際の口蓋瘻孔が原因の場合、パラタルリフトは軟口蓋の運動麻痺・機能低下を補助する場合に用います。

画像の確認

実画像では、形成術後の口蓋粘膜に明瞭な交通孔はみえない一方、発声時にも挙上した軟口蓋と咽頭後壁の間に空隙が残る。側方エックス線でも安静時から発声時へ軟口蓋が動くが咽頭壁に届かず鼻咽腔閉鎖が完成しないため、保存的訓練で改善しない本例には咽頭弁形成術が合う。

選択肢の確認

a.瘻孔閉鎖術
誤り。瘻孔閉鎖術は口蓋に実質的な交通孔がある場合に行いますが、本症例の中心は鼻咽腔閉鎖不全です。

b.咽頭弁形成術
正答。最も適切です。咽頭弁形成術は発声時の鼻咽腔閉鎖を改善し、開鼻声や鼻漏れを軽減します。

c.顎裂部骨移植術
誤り。顎裂部骨移植術は歯槽部の骨欠損を再建し、鼻咽腔閉鎖機能を直接改善する手術ではありません。

d.舌接触補助床の装着
誤り。舌接触補助床は舌運動・舌圧低下による構音や嚥下を補助する装置です。

e.パラタルリフトの装着
誤り。パラタルリフトは軟口蓋を挙上する補綴的治療ですが、既にスピーチエイドで改善せず、構造的間隙が残る本症例では手術を検討します。

覚えるポイント

  • 口蓋裂術後は鼻咽腔閉鎖機能を評価します。
  • 保存的治療で改善しない閉鎖不全では咽頭弁形成術を検討します。
  • 口蓋瘻孔と鼻咽腔閉鎖不全を区別します。

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