116B065|第116回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床歯周病学
歯周形成手術の術前と術中の口腔内写真(別冊No. 24)を別に示す。 この術式が遊離歯肉移植術と比較して優れているのはどれか。3 つ選べ。

3つ選択
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正解: a・b・c
正答
a、b、c
この問題のポイント
写真の術式は上皮下結合組織移植術で、遊離歯肉移植術との創面・血流・色調の違いを比較します。
解説
上皮下結合組織移植術では、口蓋から採取した結合組織を受容床の歯肉弁下へ置きます。移植片は受容床側と被覆弁側の二方向から血流供給を受けるため生着しやすく、周囲の上皮で覆われるので歯肉色が調和しやすい方法です。口蓋採取部も上皮を残して一次閉鎖できるため、遊離歯肉移植術より治癒が良好です。
画像の確認
実画像では、術前の下顎前歯に局所的な歯肉退縮と歯根露出があり、術中写真では同部の歯肉弁を開いて移植組織を受容床へ置き、縫合して被覆しようとしている。移植片が露出したままになる遊離歯肉移植ではなく、弁下へ置く上皮下結合組織移植の像であり、二面からの血流、周囲色との調和、口蓋採取部の一次閉鎖という優位性につながる。
選択肢の確認
a.移植片の生着
正しい。
移植片が受容床と被覆弁の間に置かれ、両面から栄養を受けるため生着に有利です。
b.歯肉色の調和
正しい。
移植片表面が周囲の歯肉弁で覆われるため、遊離歯肉移植より色調・質感が周囲と調和しやすくなります。
c.採取部位の治癒
正しい。
口蓋上皮を温存し採取部を一次閉鎖できるため、開放創となる遊離歯肉移植より疼痛が少なく治癒しやすいです。
d.口腔前庭の拡張
誤り。
口腔前庭の拡張や角化歯肉幅の増大だけを主目的とする場合は遊離歯肉移植術が有利なことがあります。
e.歯間乳頭歯肉の増大
誤り。
歯間乳頭そのものを増大させることが本術式の一般的な優位点ではありません。
覚えるポイント
- 上皮下結合組織移植は根面被覆と審美性に優れる。
- 二重血流で生着しやすい。
- 遊離歯肉移植は角化歯肉幅・前庭拡張に有用。