115C072第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

歯髄病変のH-E 染色病理組織像 (別冊No. 29 )を別に示す。 矢印で示す病変はどれか。 1つ選べ。

115C072の問題画像
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正解: c

正答

c

この問題のポイント

歯髄内にみられる濃染性・層状の硬組織様物質は、石灰変性です。歯髄結石やびまん性石灰化として観察されます。

解説

歯髄は加齢、慢性刺激、う蝕、修復処置、外傷などに反応して石灰化を起こすことがあります。歯髄内へカルシウム塩が沈着する変化を石灰変性といいます。

病理組織像では、歯髄組織内に好塩基性を示す不規則な石灰化物や、同心円状・層状の硬組織様物質を認めます。限局性のものは歯髄結石、細長く広がるものはびまん性石灰化としてみられます。

石灰化が大きい場合、根管口や根管の探索が難しくなります。エックス線画像で歯髄腔の狭窄・閉鎖を認めることがありますが、画像上見えなくても微細な根管が残っている場合があります。

病理像で見るポイント
矢印部には細胞集簇や炎症性滲出物ではなく、濃染する硬組織様の塊を認めます。形態と染色性から石灰化物と判断します。

画像の確認

実画像では、歯髄腔内に濃い青紫色の石灰化物が大小複数みられ、黄色矢印がそれらを指している。歯髄内の硬組織様沈着という可視所見から、石灰変性を選ぶ正答cが支持される。

選択肢の確認

a.膿 瘍
誤り。
膿瘍は好中球を主体とする膿の限局性貯留です。病理では多数の好中球、壊死組織、液化性変化を認め、硬組織様の石灰化塊とは異なります。

b.空胞変性
誤り。
空胞変性では細胞質内に空胞が形成され、細胞が淡明化します。矢印部の濃染性石灰化物とは異なります。

c.石灰変性
正しい。
歯髄内にカルシウム塩が沈着し、歯髄結石やびまん性石灰化を形成します。画像の硬組織様の濃染物に一致します。

d.肉芽組織
誤り。
肉芽組織は新生毛細血管、線維芽細胞、炎症細胞からなる修復組織です。血管に富む細胞性組織であり、石灰化塊とは異なります。

e.網様萎縮
誤り。
網様萎縮は歯髄細胞が減少し、細胞間に液体が貯留して網目状にみえる変化です。硬組織様物質の沈着ではありません。

覚えるポイント

  • 歯髄の石灰変性には歯髄結石とびまん性石灰化があります。
  • 加齢や慢性刺激に伴って増加します。
  • 石灰化が強い歯では根管探索が困難になります。

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