115C053|第115回 歯科医師国家試験 過去問
17 歳の男子。転倒による上顎前歯の歯冠破折を主訴として来院した。受傷後直 ちに受診したという。 1には自発痛があるが、 11には自発痛はなく、共に歯髄電 気診で生活反応を示した。初診時の口腔内写真 (別冊No. 17A とエックス線画像 (別冊No. 17B を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 212222唇 側* 2凵歯 種 1222222口蓋側* 動揺度** 0* :プロービング深さ (mm )** :Miller の判定基準 1と 1に行う処置の組合せで正しいのはどれか。 1つ選べ。 11a 直接覆髄 -コンポジットレジン修復 b 生活歯髄切断 暫間的間接覆髄 c 生活歯髄切断 コンポジットレジン修復 d 麻酔抜髄 コンポジットレジン修復 e 麻酔抜髄 レジン前装冠装着

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
外傷歯では、歯髄露出の有無、自発痛、歯髄生活反応、受傷からの時間を整理します。露髄した生活歯には生活歯髄切断、露髄していない歯冠破折にはコンポジットレジン修復を行います。
解説
症例は17歳で、転倒直後に受診しています。2本の上顎中切歯はともに歯髄電気診で生活反応を示し、歯周ポケットと動揺度にも大きな異常はありません。
口腔内写真では、一方の歯に歯髄露出を伴う歯冠破折を認めます。この歯には自発痛があり、露出部直下の冠部歯髄に炎症が及んでいる可能性があります。ただし、受傷直後で歯髄生活反応があるため、直ちに抜髄するのではなく、炎症のある表層歯髄を除去して健全な歯髄を保存する生活歯髄切断を行います。
もう一方の歯は歯冠破折を認めますが、歯髄露出と自発痛がありません。露出象牙質を接着処理し、コンポジットレジンで形態・審美性・歯髄保護を回復します。
症例問題の解き方
外傷歯では、歯髄露出、歯髄生活反応、根の完成度、脱臼の有無を確認します。生活反応があるから無処置でよいわけではなく、露髄の程度に応じて歯髄保存療法を選びます。
画像の確認
実画像では、上顎中切歯2歯に歯冠破折があり、一方は破折面中央に赤い露髄部、他方は露髄を伴わない小さな切縁欠損として見える。エックス線像で明瞭な歯根破折がみられないことも合わせ、露髄歯への生活歯髄切断と非露髄歯へのコンポジットレジン修復を選ぶ正答cを支える。
選択肢の確認
a.選択肢a(問題画像参照)
誤り。
問題画像のaは「直接覆髄-コンポジットレジン修復」です。露髄歯には自発痛があり、露髄範囲も明瞭です。微小で汚染の少ない露髄に対する直接覆髄より、炎症表層を除去する生活歯髄切断が適します。
b.選択肢b(問題画像参照)
誤り。
問題画像のbは「生活歯髄切断-暫間的間接覆髄」です。露髄歯への生活歯髄切断は適切ですが、もう一方は外傷性歯冠破折であり、齲蝕象牙質を段階的に除去する暫間的間接覆髄の適応ではありません。
c.選択肢c(問題画像参照)
正しい。
問題画像のcは「生活歯髄切断-コンポジットレジン修復」です。露髄歯の生活歯髄を保存し、非露髄歯の露出象牙質と歯冠形態をレジン修復する組合せです。
d.選択肢d(問題画像参照)
誤り。
問題画像のdは「麻酔抜髄-コンポジットレジン修復」です。露髄歯にも生活反応があり、受傷直後で歯髄保存が可能と考えられるため、麻酔抜髄は侵襲が大きすぎます。
e.選択肢e(問題画像参照)
誤り。
問題画像のeは「麻酔抜髄-レジン前装冠装着」です。両歯とも若年者の生活歯であり、健全歯質を大きく削除する全部被覆冠と抜髄を最初から選ぶ必要はありません。
覚えるポイント
- 外傷による露髄では、受傷時期と歯髄生活反応を確認します。
- 生活歯髄切断は、炎症表層を除去して残存歯髄を保存する処置です。
- 非露髄性歯冠破折は接着性コンポジットレジン修復で対応します。