115B041第115回 歯科医師国家試験 過去問

基礎歯科医学病理・微生物・免疫

1型糖尿病の特徴はどれか。 2つ選べ。

2つ選択
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正解: a・e

正答

a、e

この問題のポイント

1型糖尿病は、膵β細胞の破壊による絶対的インスリン欠乏を本態とします。高血糖による感染防御機能の低下と、生存のためにインスリン補充が必要であることを押さえます。

解説

1型糖尿病では、自己免疫などによって膵Langerhans島のβ細胞が破壊され、インスリン分泌が著しく低下します。そのため、血糖を細胞内へ取り込ませる作用が不足し、高血糖となります。

高血糖状態では、好中球の遊走・貪食・殺菌能が低下し、末梢循環や創傷治癒も障害されます。このため、歯周感染や術後感染を含めて易感染性となります。

また、内因性インスリンがほとんど分泌されないため、原則として継続的なインスリン補充が不可欠です。患者自身が血糖値や食事量に応じてインスリンを自己注射することが一般的です。

インスリン不足が高度になると、脂肪分解によってケトン体が増加し、糖尿病性ケトアシドーシスを起こします。これは代謝性アシドーシスであり、呼吸性アシドーシスではありません。

全身管理上の注意点
歯科治療では、血糖コントロール、食事とインスリン投与の状況、低血糖の既往、感染の有無を確認します。食事を抜いたまま通常量のインスリンを使用すると、低血糖の危険が高まります。

選択肢の確認

a.易感染性である。
正しい。
高血糖により好中球機能や創傷治癒が低下するため、細菌感染を起こしやすくなります。歯周炎などの口腔感染症にも注意が必要です。

b.家族性の発症が多い。
誤り。
1型糖尿病にも遺伝的素因はありますが、家族集積性は2型糖尿病ほど強くありません。1型では自己免疫によるβ細胞破壊が中心です。

c.肥満者の発症が多い。
誤り。
肥満とインスリン抵抗性は、主に2型糖尿病に関連します。1型糖尿病は肥満のない小児・若年者にも発症し、発症時に体重減少を認めることがあります。

d.呼吸性アシドーシスが頻発する。
誤り。
インスリン不足で起こる糖尿病性ケトアシドーシスは代謝性アシドーシスです。深く大きなKussmaul呼吸は、代謝性アシドーシスに対する呼吸性代償です。

e.インスリン自己注射が必要である。
正しい。
絶対的インスリン欠乏を補うため、インスリン療法が不可欠です。多くの患者は自己注射やインスリンポンプを用いて管理します。

覚えるポイント

  • 1型糖尿病はβ細胞破壊による絶対的インスリン欠乏です。
  • 高血糖により易感染性と創傷治癒遅延が生じます。
  • 糖尿病性ケトアシドーシスは代謝性アシドーシスです。

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