39PM88|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
図に示す毛細血管の動脈端における濾過圧[mmHg]はどれか。

解答・解説を見る
正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、毛細血管の濾過圧を求めます。
毛細血管では、血管内外の静水圧と膠質浸透圧の差によって、水分が血管外へ出るか、血管内へ戻るかが決まります。
動脈端では、毛細血管内の静水圧が高いため、一般に濾過、つまり血管外へ水分が出る方向に働きます。
解説
毛細血管の濾過圧は、Starlingの考え方で整理します。
図の動脈端で使う値は次のとおりです。
- 動脈側静水圧:30 mmHg
- 間質液圧:−5 mmHg
- 血漿膠質浸透圧:28 mmHg
- 間質液膠質浸透圧:6 mmHg
濾過を促進する向き、つまり血管内から間質へ水を出す力は、
- 毛細血管内の静水圧
- 間質液の膠質浸透圧
- 間質液圧が陰圧であることによる吸引
です。
一方、血管内へ水を戻す向きに働く主な力は、
- 血漿膠質浸透圧
です。
式で表すと、
- 濾過圧 = (毛細血管静水圧 − 間質液圧)−(血漿膠質浸透圧 − 間質液膠質浸透圧)
動脈端では、
- 毛細血管静水圧 = 30 mmHg
- 間質液圧 = −5 mmHg
- 血漿膠質浸透圧 = 28 mmHg
- 間質液膠質浸透圧 = 6 mmHg
代入します。
- 濾過圧 = {30 −(−5)} −(28 − 6)
- 濾過圧 = 35 − 22
- 濾過圧 = 13 mmHg
したがって、動脈端における濾過圧は 13 mmHg です。
図で見るポイント
図では、動脈端の静水圧が 30 mmHg、静脈端の静水圧が 10 mmHg と示されています。この問題は「動脈端」を問うているため、10 mmHg ではなく 30 mmHg を使います。
また、間質液圧が −5 mmHg なので、30 −(−5)となり、血管外へ水を引き出す方向に働きます。
ひっかけポイント
間質液圧が −5 mmHg である点が重要です。単純に 30 − 28 + 6 − 5 とすると 3 mmHg になってしまいますが、間質液圧は負の値なので、30 −(−5)として扱います。
選択肢の確認
1.誤り。
−9 mmHgではありません。動脈端では毛細血管静水圧が高く、濾過方向の力が優位になります。
2.誤り。
−7 mmHgではありません。血漿膠質浸透圧だけを強く見積もると負の値を選びやすくなりますが、間質液圧と間質液膠質浸透圧も考慮します。
3.誤り。
1 mmHgではありません。動脈側静水圧 30 mmHg、間質液圧 −5 mmHg、膠質浸透圧差を正しく入れると 13 mmHg になります。
4.誤り。
3 mmHgは、間質液圧 −5 mmHg の符号を誤って扱った場合に選びやすい値です。間質液圧が陰圧なので、30 −(−5)として計算します。
5.正しい。
濾過圧 = {30 −(−5)} −(28 − 6)= 35 − 22 = 13 mmHg です。したがって、動脈端の濾過圧は 13 mmHg です。
覚えるポイント
- 毛細血管の濾過圧は、静水圧と膠質浸透圧の差で決まります。
- 基本式は 濾過圧 =(毛細血管静水圧 − 間質液圧)−(血漿膠質浸透圧 − 間質液膠質浸透圧) です。
- 動脈端では毛細血管静水圧が高く、濾過が起こりやすいです。
- 間質液圧が負の値の場合、符号の扱いに注意します。
- この問題では、13 mmHg が濾過圧です。